月に1冊も本を読まない中学生12.8% 対策は「電子図書館」

雨宮徹
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 岡山県内の中学生を対象に県教育委員会が行った初めての読書調査で、月に1冊も読まない「不読率」(漫画、新聞、雑誌を除く)は12・8%に上った。ユーチューブの視聴やLINEでのやりとりなどに時間をとられ、読書をしなくなっている実態が浮かんだ。

 調査は4~5月、県内の中学生564人(抽出率1・8%)に書面で行った。1カ月の読書数をたずねる質問に対し、最も多かったのは「1~2冊」で28・0%。次いで「1冊までいかないが読んでいる」が22・7%、「5冊以上」18・1%だった。1~2冊以下が6割以上を占めた。

 読書をしない理由は複数回答で「他にしたいことがある」「今、読みたい本がない」がともに61・5%。「本を読まなくても困らない」は24・2%、「文章や文字を読むことが苦手」も22・0%と多かった。

 「他にしたいことがある」と答えた生徒に時間の使い方を聞くと、「ユーチューブなどで動画を見る」が64・4%。「LINEなどのSNSをする」「ゲームをする」と続いた。

 一方で、読書が「好き」「どちらかと言えば好き」は88・5%。「将来の役に立つと思う」「どちらかと言えば思う」も88・8%。読書を肯定的にとらえている傾向も浮かび上がった。

 読書のきっかけを複数回答で尋ねる質問には、「学校で読書の時間があったり、課題で読む必要があったりする」「映画やテレビドラマをみてその原作本に興味・関心を持った」の回答が多かった。

 友達や家族、教員からの働きかけがあっても自主的な読書につながりにくい傾向も読み取れ、県教委は「自主的な動機を優先して読書する生徒が多い。そこでプラスの印象を持てば、読書を続けるきっかけになるのではないか」という。

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 不読率の高い中学生対策として、県教委は6月から電子図書館サービス「おもしろe(イー)読書事典」を始めた。県内の公立中学生全員(岡山市立中は対象外)に個人用IDを配布し、自身のスマートフォンやタブレットなどで蔵書の電子書籍を読めるようにした。

 全国的に見ても珍しい取り組みで、8月中旬までの貸し出しは600件超と好評だという。

 クラウド型の電子図書サービス「ライブラリエ」を利用。400冊余りの蔵書は、県教委が昨年行った「好きな本総選挙」で中学生から寄せられた本が中心だ。「青春」「冒険」「家族」「生きる」「仕事」などのジャンルに分けられ、ライトノベルも含まれる。各ジャンルの代表的な本の推薦文は、それを読んだ中学生が書いている。

 1冊を1週間借りることができ、県教委は学校の休み時間や家庭での利用を想定。県教委の読書調査では、68・8%の中学生が「利用したい」と答えた。

 おもしろe読書事典は(https://www.d-library.jp/r3omosiro/g0101/top/別ウインドウで開きます)。(雨宮徹)