公務員やめた! 旅に出て、はまったピースと見つけたカレー

有料会員記事

田中瞳子
[PR]

 世界を巡った。川越麻紀さん(49)は、そこで出会ったスリランカカレーを出す店を、地元の神奈川県茅ケ崎市に開く。勤続約18年の市職員だった彼女は11年前、新たな人生へ踏み出そうとしていた。

 公務員を辞めたときは、次に何をするか決めていなかった。今まで忙しくてできなかったことをしよう。オーストラリアの南に浮かぶ島、ブルーニーへ最初の旅に出た。「どうやって生きていこう」。将来について考え、自分と向き合ったその島の名は今、自身が営む店の名前になっている。

追いかけていた「亡霊」

 新卒で入った茅ケ崎市役所。2010年、39歳で退職した。福祉、教育、秘書、広報……。キャリアを重ねるほど、利息のように積み上がる息苦しさがあった。周囲のイメージは「バリバリと仕事をこなす川越さん」。それに合わせようとして、できない自分を否定した。タイプミスを一つするたび、イベントの司会で息継ぎのポイントを間違えるだけで、「私はダメだ」と追い詰めるほどだった。

 気がつけば体重はどんどん減り、心身ともに悲鳴を上げていた。「環境を変えよう」。

 役所を辞めてから2年半で…

この記事は有料会員記事です。残り600文字有料会員になると続きをお読みいただけます。