定規+分度器+コンパス=ベスト定規 元高校教諭30年間の集大成

本井宏人
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 一つの定規に2種類の三角定規と分度器やコンパス機能も加えた「ベスト定規」を、愛知県豊橋市の機器メーカー「エコーテック」が今月発売した。元工業高校教諭が30年前から温めていたアイデアを具体化し、エコーテックが販路に乗せることで商品化につなげた。

 ベスト定規はアクリル製で長さ約17センチ。一角が60度になっているほか、30度や45度などの目盛りがついており、三角定規や分度器を使ったのと同様の製図ができる。ペンかシャープペンシルが2本あれば、片方を定規端のフックにひっかけて支点とし、もう片方を目盛りの穴に入れて動かすことで、コンパスとして円を描くこともできる。

 考案したのは、豊橋工業(現豊橋工科)高校教諭だった中村孝典さん(49)。高校生のとき、何種類もの製図用具を持ち歩く不便さに疑問を持ち、教諭になったあとも理想の多機能定規を求めて、生徒の意見を聴きながら3Dプリンターで試作を繰り返してきた。

 昨年3月、コロナ禍で全国一斉休校が始まったため「生徒に直接教えられないなら、製品開発に専念したい」と高校を退職した。ベスト定規を完成させ、個人事業として今年6月にインターネットなどで販売を始めたが、販路拡大やPRが課題だった。

 そんなときに声をかけたのがエコーテック営業企画部長の三浦宏樹さん(49)だった。プラモデル用の超音波カッターなどを手がけるエコーテックは、模型問屋を通じて全国の文具や玩具店に流通ルートを持つ。

 ちょうど、来年から豊橋市で企画している高校生らの「ものづくり」発表大会のキャラクターとして「もけ部」(模型部)を売り出していたため、キャラクターの部員をあしらった自社製品の「もけ部ベスト定規」として商品化することで中村さんと合意した。三浦さんは「全国の工業高校などに広がれば、大会のPRにもなる」と話す。

 ベスト定規は、中村さんが個人事業で販売したものを含め、これまでに約400本を出荷した。中村さんは「作業服のポケットに入るサイズ。イラストや製図だけでなく、医療現場でベッドの角度を測るために購入した人もいた」と話す。

 税込み950円。問い合わせはエコーテック(0532・65・5158)へ。(本井宏人)