県の手法をどう評価 専門家に聞く認証で金額に差 独自の休業要請も

新型コロナウイルス

吉沢龍彦
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 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、飲食店を対象に山梨県が実施した休業・時短要請では、「やまなしグリーン・ゾーン認証」を取得しているかどうかで要請内容と協力金の額に差をつけた。県内に初適用されたまん延防止等重点措置に基づく要請に、独自の要請も上乗せした。12日までの対応だったが、この手法はどのように評価すべきか。憲法行政学を専門とする山梨大の研究者2人に聞いた。(吉沢龍彦)

山梨大学 石塚迅准教授 憲法

 憲法財産権を保障しており、制限する場合は損失補償が必要となる。しかし政府も地方公共団体も、休業・時短要請に応じた事業者への補償には消極的・否定的で、「補償金」ではなく「協力金」と表現しているのもそのためだ。

 まん延防止等重点措置では、協力要請ではなく命令が出せる。違反すると行政罰も科せられる。飲食店は財産権が制約されていると考えられるが、協力金の金額は、業種や店によっては制約を緩和するものとしては不十分となる可能性がある。

 県はやまなしグリーン・ゾーン認証店か否かで、要請内容と協力金に差をつけた。憲法が定める「法の下の平等」に照らせば、差別化に合理的理由があるかが問われる。認証制度は感染拡大防止を目的とし、どの店にも認証を取る道は開かれているので、まったく不合理とはいえない。ただ、店の構造や資金などの理由で認証を取りたくても取れない店もあるだろうから、行政はていねいに説明や対応をする必要がある。

 一連の施策や予算措置の多くが知事の専決処分の一環で行われていることにも問題がある。緊急時の専決処分をすべて否定するものではないが、施策の妥当性は議会で十分議論されるべきだ。条例制定や予算審議という形で、議会のより積極的な関与が要請される。

山梨大学 藤原真史准教授 行政学地方自治

 要請に従った飲食店に県から支給される協力金は、損失補償ではなく、協力したことに対する報奨金の色合いが強い。グリーン・ゾーン認証を取得している店は県の政策への協力の度合いが高いと考えれば、支給額に差をつけることには問題はない。

 ただ、県の休業・時短要請のやり方はわかりにくかった。法的には二段構えになっていて、協力依頼にとどまる要請と、命令・罰則付きの要請に分かれていたが、それらを一緒に運用した。事業者や県民が区別するのは難しかった。

 感染拡大を防ぎ、県民の不安を打ち消すのは県の仕事であり、認証制度を打ち出したことは評価できる。だが、認証を得るかはどうかは事業者の自由で、認証を得ないのは悪いことだと差別されないようにする配慮が県には必要だ。認証店を支援するのであれば、残りの事業者へのきめ細かな手当てもセットで考えるべきだ。

 認証の有無で支援に差をつける以上、制度の効果を科学的に検証し、説明する必要がある。ほんとうに効果があるのかという疑問・批判に対する挙証責任は県にある。

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