核兵器禁止条約になぜ賛成? 批准国アンケート 圧力乗り越えた国も

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笹川翔平、岡田将平、半田尚子
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 核兵器を史上初めて全面的に禁じる核兵器禁止条約が今年1月に発効してから半年が過ぎた。条約参加の最終的な手続きとなる批准をした国・地域は現在55。一方で、核保有国は参加しておらず、唯一の戦争被爆国であり、米国の「核の傘」に頼る日本も条約に後ろ向きだ。朝日新聞社が批准国に条約参加の理由や日本に求める役割などを尋ねたところ、7カ国から回答があった。被爆者の果たしてきた役割を評価する声や日本政府への注文も寄せられた。

 核禁条約は昨年10月に批准国が50に達し、発効の要件を満たした。その後も少しずつ増え、今年7月にインド洋のセーシェルが加わり、55カ国・地域になった。朝日新聞は6月時点で条約を批准していた54カ国を対象に、各国が日本国内に置く大使館や本国の外務省などにメールでアンケートを送った。アイルランド、オーストリア、カザフスタン、ベナン、ベネズエラ、マルタ、メキシコから回答があった。

核保有国からの圧力乗り越えた国も

 条約交渉を主導した国の一つであるオーストリアは東西冷戦時代、「西側」の北大西洋条約機構(NATO)の国々と、「東側」のワルシャワ条約機構の陣営に挟まれ、核の脅威がすぐそばにあった。批准の理由について「核兵器の非人道的な結果はあまりにも深刻で、核抑止に伴うリスクは大きすぎる」とした。「核抑止」とは、核兵器を持つことで相手に使用を思いとどまらせる考えのことだが、「安定を確保する持続可能な手段とは考えていない」と訴えた。

 核大国の米国と国境を接し、条約交渉につながる国際会議を2014年に開催するなど中心的な役割を果たしたメキシコは、「核爆発による影響に国境はない。すべての国、人類にとっての深い懸念となる」と回答した。爆発そのものによる死者だけではなく、それに伴う経済や環境への広範囲な被害も生まれると指摘した。

 アフリカ非核兵器地帯条約に加盟している西アフリカのベナンも、「核兵器の保有は非常に危険」と答えた。

 旧ソ連が約470回の核実験を繰り返したセミパラチンスク核実験場があるカザフスタンは、外交政策の基本方針として「核兵器のない世界の実現」を掲げていることを説明。その一例として、16年に当時のナザルバエフ大統領が広島を訪問した際に、「私は世界の指導者に再び核の悲劇が起こらないよう核実験を行わないよう求めます」と述べたことを紹介した。

 地中海の島国マルタは198…

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