「僕はコロナにかかっていました」。大阪府高槻市の中学校の教室で5月、男子生徒が新型コロナウイルス感染症の療養を終えて登校した初日に、同級生全員に向かって告白した。生徒は療養中から、感染の事実を同級生らに伝えてほしいと学校に要望。学校は市教委に相談した上で、「本人がいない場で間違ったことを伝えてはいけない」と判断して応じなかったが、「直接コミュニケーションが可能な環境であれば許容できる」として、自ら伝えることは認めた。生徒は告白することで、何を訴えたかったのか。
この生徒は5月4日に38度近い熱が出て、連休明けに学校を休んだ。同居している父母、兄の家族3人が新型コロナに感染。生徒も同15日、陽性と判明した。
陽性判明後、学校は複数の生徒から欠席の理由を尋ねられ、「体調不良で休んでいる」と答えた。一方、生徒は自宅療養中、担任や教頭に電話で、感染した事実を同級生や保護者に伝えてほしいと要望した。
学校は市教委に相談した。市教委は学校に「個人情報保護の観点から感染者につながる内容の発表は控える」との方針を伝えた上で、「陽性者本人が公表を希望する場合、本人による公表を禁止するルールはない」とも伝えた。
市教委によると、感染した生徒名などの個人情報は公表していない。学校は「欠席している生徒に対する風評被害の懸念」があるとも説明する。
こうした市教委の方針を踏まえ、学校は生徒に対し「(同級生に)伝えることはできない」と答えた。「受け止める人の気持ちも考える必要がある。本人が復帰してから、自ら伝える方が良いのではないかと考えた」とする。その上で、「生徒と聞き手が直接やりとりでき、生徒に対する理解が得られるクラスでの告白であれば許容できる」と判断したという。
男子生徒は療養を終えて登校した初日、同級生に感染の事実を告白しました。なぜ、告白に踏み切ったのでしょうか。生徒の思いを紹介します。
生徒は療養中から学校に公表…

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