生活保護引き下げ「違憲」の訴え退ける 京都地裁「厚労相の裁量内」

白見はる菜
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 国が生活保護基準額を2013年から段階的に引き下げたのは、生存権を保障した憲法25条に反するなどとして、京都市の受給者42人が市を相手取り、減額決定の取り消しなどを求めた集団訴訟の判決が14日、京都地裁であった。増森珠美裁判長は「厚生労働相の判断の過程に過誤、欠落があるとはいえず、裁量権の逸脱にはあたらない」として原告側の訴えを退けた。

 同様の訴訟は全国29の地裁で起こされ、地裁判決は今回で5件目。名古屋、札幌、福岡の3地裁は受給者の訴えを退けたが、今年2月の大阪地裁は減額決定を取り消した。司法判断が分かれる中、京都地裁の判決内容が注目されていた。

 問題とされたのは、生活保護費のうち、衣食や光熱費など日常生活に必要な費用にあたる生活扶助費の基準額の引き下げ。国は「08年~11年に物価の指数が4・78%下がった」とする厚生労働省の算定に基づき、物価が安くなる「デフレ」の調整などを行い、15年までの3年間で計約670億円を削減した。削減幅は最大10%で戦後最大だった。

 裁判では主に、基準額の引き下げが、厚労相の裁量の範囲内といえるかどうかが争われた。

 原告側は、厚労省の算定には合理性がないとし、厚労相は専門家の意見を踏まえずに引き下げを決め、裁量権を逸脱したと主張していた。一方、被告側は過去の裁判例をもとに、厚労相には幅広い裁量権がある、などと反論していた。(白見はる菜)