政治が繰り返す「自助努力」の果てに 「自分より下の存在」に満足感

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聞き手・田中聡子
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 「メンタリスト」を自称するDaiGoさんが8月、生活保護受給者らに対する差別発言を動画で流し、その後、「生活保護を受けながら頑張っている人、支援する人がいる」などと述べ、謝罪しました。しかし、長年貧困支援に携わり、全盲の弁護士として知られる竹下義樹さんは「頑張っている人がかわいそう」という発想の危うさを指摘します。竹下さんに話を聞きました。

 ――DaiGoさんの発言をどのように受け止めましたか。

 「『頑張っている人もいるよね』というのは、裏返せば『生活保護を受けているほとんどの人は怠惰だよね』ということです。そういう先入観があるから、こういう言葉が出てくる。非常に不愉快です」

生活保護の受給 白い目で見られる恐怖

 「僕は生活保護を受給するための支援や訴訟に40年近くかかわり、路上生活者の支援も20年以上続けています。その活動を通じて感じてきたのは、人間誰しもなり得るのが、生活保護受給者であり、路上生活者だということです。昨日までスーツを着て出社していた人が、突然野宿せざるを得なくなったケースもありました。何らかの支援さえあれば、社会に参加できる人が、支援がないために大きくつまずいてしまうことがある。そういうことへの理解がないことが残念です」

 ――これまでの活動の中で、「受給者は怠惰だ」という雰囲気を社会から感じてきたのですか。

 「コロナ禍による生活苦の電話相談を受けていると、仕事を失った人や会社を閉じた人で、明日からの生活費もないという人がたくさんいます。『生活保護の申請に行きなさい』というと、『それだけはイヤだ』と言うんです。理由を聞くと『白い目で見られる』といいます。生活保護は怠け者が受けるものだと思っていて、自分がそう見られることへの恐怖があるのでしょう」

 記事の後半では、貧困について「自業自得」「努力が足りない」という発想を社会が克服できていないと語ります。その理由とは。

 「こういう感覚を人々に植え…

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