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日本財団、阪大に230億円 「次のパンデミックに備える」

瀬川茂子
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 新型コロナウイルスの感染拡大が浮き彫りにした課題の解決に向けて、日本財団と大阪大が14日、感染症対策のプロジェクトを進めると発表した。日本財団が大阪大に10年間で約230億円を助成。大阪大に設置された感染症総合教育研究拠点で、社会・経済活動の維持、感染症の予防と治療、医療崩壊の防止などに取り組む。

 拠点は3部門からなる。まず「科学情報・公共政策部門」。コロナ禍では、不安をあおる情報やワクチンに関するデマなどが社会問題になっている。行動経済学心理学、医療の専門家が共同で研究し、科学的根拠のある情報を発信していく。政策分析や政策提言研究も進める。

 「感染症・生体防御研究部門」がめざすのは、感染症の診断や予防、治療法を開発する上での基盤づくりだ。病原体や免疫についての研究が中心となる。

 コロナ禍で、感染症を専門とする医療従事者や病床が不足し、医療崩壊が現実味を増した。「人材育成部門」では、専門医だけでなく幅広い医療従事者が感染症を学べるような教育プログラムを作り、感染が広がっても対応できるよう、医療の裾野を広げる。

 異分野の研究者が集まる研究棟も作り、いつ起こるかわからない次のパンデミックの備えになる研究を進めるという。

 大阪大の西尾章治郎総長は、「研究者の自由な発想で進める基礎研究の中から将来の応用につながる成果が生まれる。そこをサポートしてもらえるのはありがたい。成果が出てくれば目的が明確になっている国の研究費も獲得できる。国内外の組織との連携を強力にはかりオープンな拠点にして、全力で推進する」と話した。瀬川茂子