接種済み8割でも増える感染 シンガポールは「共存」にかじを切った

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シンガポール=西村宏治
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 新型コロナウイルスのワクチン接種率が人口の8割と世界最高水準にあるシンガポールで、新規感染者が急増している。大半が接種の完了後でも感染する「ブレークスルー感染」だという。ただ、2回の接種後なら重症化率は1%程度にとどまっている。企業に週1回の定期検査を求めるといった新たな対策により、感染状況の悪化を抑え込む考えだ。

 シンガポールの1日の新規感染者数は8月下旬に100人を超えてから急加速し、9月13日に600人を超えた。直近の人口は550万~560万人程度とみられるため、日本なら約1万3千人の水準になる。オン・イエクン保健相は10日の記者会見で、英国などの流行の分析から、この勢いが続けば「ピーク時に1日3200人程度になる可能性がある」と語った。

 大人では接種した人がほとんどのため、感染者も多くはワクチン接種済み。9月7日までの28日間で感染した3千人余りのうち、約76%を占めた。1回接種が約8%、未接種は約16%だった。ただ、重症化率はワクチン完了者で0・8%と非常に低く、1回のみの4・3%、未接種の6・1%と大きな差が開いた。

「厳しい行動制限に戻らなくても」政府の対策の柱は

 シンガポールのワクチン接種は昨年12月に医療関係者などからスタート。今年2月から一般向けに本格化した。7月下旬には接種率が人口の5割を超え、8月末に8割に達した。政府は「世界で最も高い水準にある」と説明する。

 国の公的接種では米ファイザー製か米モデルナ製が使われており、保健省によると、9月6日時点で約439万人が2回の接種を完了。さらに民間の医療機関で中国シノバック製などの接種を受けた人が約8万6千人おり、合計で人口の81%が2回の接種を終えた。年齢別では70歳以上が85%、12~39歳で88%、40~69歳は90%超という高水準だ。

 シンガポールでは新型コロナの感染を防ぐため、外出時のマスク着用などが義務化されているほか、たびたび厳しい行動制限策が取られてきた。特に今年5月以降は、デルタ株の広がりを受けて断続的に外食禁止などの制限が続いた。

 だが、接種率が高まったこと…

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