LEDウニ、旬以外でも身入りよく

東野真和
[PR]

 品薄になる旬の時期以外にもウニを出荷したい――。そんな挑戦が岩手県大船渡市で順調に進む。LEDで蓄養池を照らすことで、育ちやすい環境に近づけるという取り組みだ。

 9日、ウニ100キロが同市の綾里漁港で水揚げされた。身入りが良く、翌日には市内の「道の駅さんりく」で120グラム1800円で販売し、即完売。蓄養を引っ張ってきた県大船渡水産振興センターは冬場の出荷などに手応えを感じた。

 全国的に、ウニが増え、えさの海藻が不足する「磯焼け」という状況になり、身入りが悪い「やせウニ」が増加している。対策として同センターは6月、ウニ5800個を500平方メートルの蓄養池に移し、コンブやワカメを与えて育ててきた。

 あわせて、出荷を旬の時期以外でも実現し、品薄期に高値で売ることも狙いとする。奏功したのが、LEDによる蓄養池の照射だ。

 ウニは通常、8月を過ぎると繁殖期に入り、食用部分がどろどろになる「身溶け」を起こすとされ、売り物にならない。同センターは、日が短くなることが生殖活動時期の合図の一つと考え、LED投光器で夜中も池を照らし、活動に至らせないことを試行した。

 その結果、身溶けをせずに旬の時期並みの身入りを確認。電気代は月1万円程度でコストも抑えられた。

 昨年度から県が3カ年で進めている「黄金のウニ収益力向上推進事業」の一環。今年度は、ほかに洋野町久慈市、大槌町で、水温を調節したり、陸上で蓄養したりと、それぞれ別の方法で調査を続けている。県水産振興課は来年度、実用化に向けコストや輸送面の課題を探ることにしている。18日には、同じ道の駅で再度販売予定だ。東野真和