韓国大法院、元徴用工訴訟で三菱重工の再抗告を一部棄却

ソウル=鈴木拓也
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 戦時中の徴用をめぐる訴訟で、韓国大法院(最高裁)は賠償を命じられた三菱重工業が資産の差し押さえを不服として行った再抗告のうちの一部を棄却し、差し押さえ手続きが完了した。原告側が14日に発表した。賠償にあてるための資産売却に向けた手続きが進んでいる。

 三菱重工業の敗訴が確定した元徴用工訴訟のうち、原告の元女子勤労挺身(ていしん)隊員ら4人は、同社が韓国内に持つ二つの商標権と六つの特許権の差し押さえを申請し、韓国の地裁が認める決定をしていた。同社は不服として即時抗告し、退けられた一部について大法院に再抗告をしていた。

 原告側によると、大法院は再抗告されたうちの一部について、10日に棄却を決定。差し押さえの手続きが確定した。ただ、実際に資産を売却して賠償に充てる「現金化」までには、裁判所が売却命令を出し、資産鑑定などの手続きも必要とされる。現金化の時期がいつになるかは不透明だ。

 三菱重工業は「日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決されている。政府間のやりとりの現状なども踏まえ、今後も適切に対応していきたい」とコメントした。

 加藤勝信官房長官は13日の記者会見で、再抗告の棄却について「韓国大法院判決、および関連する司法手続きは明確な国際法違反。仮に現金化に至ることになれば、日韓関係にとって深刻な状況を招くので避けなければならない」と述べた。これに対し、韓国外交省は14日、「国際法違反という日本の主張は全く事実に合わず、一方的な主張だ。韓国側に解決しろというのは問題解決に何の助けにもならない」と反論した。(ソウル=鈴木拓也)