目の前の地位より万全の体を 3連敗カド番大関・貴景勝へ休場の勧め

松本龍三郎
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 大相撲秋場所(東京・国技館)3日目の14日、カド番の大関貴景勝が初日から3連敗を喫し、序盤から苦しい戦いを強いられている。

 やはり何かがおかしい。カド番の大関貴景勝から本来の圧力が感じられない。

 ともに白星がない小結逸ノ城との一番。前日までの頭からいく立ち合いを両手突きに変えたのは、先場所で首のけがを負った相手だったことも影響したか。威力のない突きでは押し込めず、最後は組み止められ、土俵下へ転がされた。

 「一生懸命やって、負けたら弱いだけだし」と、いつもの語り口。圧力が伝わらなかったか、との報道陣の問いには「負けてるってことは、そういうこと」と素っ気なく言った。

 7月の名古屋場所で「頸椎椎間板(けいついついかんばん)ヘルニアによる神経根症」「1カ月の休養を要する」と診断され、途中休場した。重傷とみられたが、今場所前に本人は「もう治ってるし、けがはもう関係ない」と言い切った。病状はそうだとしても、稽古再開は初日まで約2週間と迫っていた「番付発表(8月30日)前くらい」。準備不足は否めない。

 大関デビューの2019年夏場所以降、度重なるけがに悩まされ、カド番は4度目。それでも、15日間土俵に上がった8場所(1場所は関脇)に限れば、6場所で10勝以上を挙げた。優勝もした。コンディションさえ整えば、照ノ富士に対抗できる貴重な存在なのだ。

 だからこそ、目の前の地位より万全な姿に早く戻る選択を勧めたい。思い切って休場し、関脇に落ちたとしても、大関への即返り咲きは十分望めるはず。今の体で土俵に立ち続けたところで、突破口が見つかるとは思えない。(松本龍三郎)