HIS社員を「地域連携マネージャー」に起用 岐阜・美濃市

松永佳伸
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 岐阜県美濃市は、大手旅行会社「エイチ・アイ・エス(HIS)」=本社・東京都港区=から、社員1人を「地域連携マネージャー」として受け入れた。任期は最長3年間。観光コンテンツの開発や、市がめざす「滞在・体験型」の観光地づくりなどに取り組む。武藤鉄弘市長は「地域の活性化や観光客の誘致に知恵を貸してほしい」と期待する。

 両者は総務省が推進する「地域活性化起業人制度」を活用し、7月に人材派遣に関する協定を結んだ。

 8月に市産業振興部の「地域連携マネージャー」に就任したのは、岐阜市出身の高橋正樹さん(44)。学生時代に米国留学の経験があり、2001年にHISへ入社。各務原市イオンモール各務原営業所長などを経て、17年から今年4月までHISマレーシア法人コタキナバル支店長を務めた。

 「マレーシアではインバウンドの仕事も経験した。美濃市は美濃和紙や、うだつの上がる町並みなど、歴史や伝統、文化がある。岐阜愛を発揮し、全国に美濃市の美しい自然を発信していきたい」と意気込む。美濃市が民間企業から人材を受け入れるのは初めてだ。

 高橋さんは、コロナ後を見据えた国内旅行の需要回復、訪日外国人旅行者の受け入れに向け、マイクロツーリズムなどを意識したバスツアーも検討している。

 地域活性化起業人制度には民間企業のスペシャリストを受け入れることで、専門知識や業務経験、人脈、ノウハウなどを生かし、外部の視点や民間の経営感覚、スピード感を持って地域活性化の課題を解決するねらいがある。今後は美濃市だけでなく、県や関市、郡上市など近隣自治体とも連携を図っていくという。

 武藤市長は先月の委嘱状交付式で「うまくいかなくても、めげずにやってほしい。静かな湖に一石を投じ、波紋が広がることを期待している。民間のノウハウを市職員に、行政の経験を民間で活用してほしい」と話した。(松永佳伸)