高齢化進む郊外住宅地、コンビニ来て! 横浜市、都市計画見直しへ

武井宏之
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 【神奈川】横浜市は、商業施設の立地が制限された戸建て住宅地の一部で、コンビニエンスストアなどの小規模店舗が建てられるように都市計画を見直す。少子高齢化や人口減少が進むなか、徒歩圏に商業施設がない郊外住宅地も多く、「買い物弱者」の利便性を高める。住まいに身近な地域で、働ける場所の立地を促すことも視野に入れる。

 市都市計画審議会(会長・森地茂政策研究大学院大学教授)が8月27日、土地の使い方や建物の建て方のルールを定めた「用途地域」などの見直しについて、「基本的考え方」を答申した。昨年1月に市の諮問を受け小委員会で審議していた。答申を踏まえ、市は年内に「基本的考え方」の案をまとめる。用途地域の全市的な見直しは1996年以来。

 答申では、第1種低層住居専用地域の一部を、広めの道路に面していることなどを条件に、第2種低層住居専用地域に見直すよう求めた。1種低層は原則、建物の半分以下(上限50平方メートル)の店舗付き住宅しか建てられないが、2種低層なら150平方メートルまでの専用店舗が認められる。

 見直しにより、コンビニや喫茶店などの立地を促す狙い。地域によっては「特別用途地区」を指定し、200平方メートル程度の店舗や、働き方の変化に対応したコワーキングスペース(個人事業者らの仕事場)やサテライトオフィスの立地を誘導することも検討する。

 横浜市の郊外部は戦後、東京のベッドタウンとして開発された。市によると、良好な住環境を保つ1種低層が市域全体の3割以上の137平方キロを占め、政令指定市で最も広い。それが住宅地としての価値を高めてきたが、徒歩圏に日用品の店舗がない地域も多く、特に高齢化や人口減少が進む市南部や西部で対応が課題になっている。

 1種低層でも、建築基準法の許可があれば専用店舗が建てられるが、市内で許可されたコンビニは99年以降に6件だけという。栄区南部で2019年に建てられたコンビニ併設のコミュニティー施設「野七里テラス」はその一つだが、住民によると、許可の手続きなどで1年半ほどもかかったという。周辺の戸建て住宅地は高齢化が進み、かつてあった店舗付き住宅の商店街は姿を消している。

 今後、市は12月に「基本的考え方」の案を示し、市民意見を募集する。具体的な見直しの候補地を示すのは22年度。店舗の開設が近隣トラブルにつながることもあるため、候補地がある区では市民説明会も行う。最終的に都市計画が変更されるのは23年度以降になる。武井宏之