伝説の岩穴?赤城山で発見 中には仏像5体、工事中に気づく

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編集委員・小泉信一
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 前橋市の赤城温泉郷近くで、数体の仏像が安置された岩穴が確認された。くぐると罪やけがれが払われると伝わる「胎内くぐり」とみられるが、その存在を知る人は地元でもほとんどいなかったという。赤城山山岳信仰とのかかわりをうかがわせる遺構といい、17日に現地を調査する。

 「先祖から受け継いだ明治19(1886)年ごろの図に『胎内くぐり』の絵が描かれています。おそらく今回の岩穴ではないでしょうか。100年以上前は、湯治客にとっても人気スポットだったのかもしれません」

 創業元禄年間と伝わる旅館「御宿(おんやど) 総本家」の主人で、地元の文化財保護指導委員を務める東宮惇允(とうみやあつよし)さん(74)はそう語る。

 現場は同市粕川町(旧・粕川村)。市が林道を整備して一般道にするための工事を進めている。赤城温泉の東にあたり、標高約800メートル。

 近くには落差約32メートルの不動大滝や、江戸時代の博徒・国定忠治が隠れたといわれる洞窟などがあり、赤城山のハイキングコースになっている。確認された「胎内くぐり」は険しい斜面の途中にあり、崩れやすいため訪れる人はほとんどなく、次第に忘れられていったようだ。

 東宮さんは「赤城山山岳信仰の山。いまもほら貝を吹きながら登る修験者がおり、彼らは『胎内くぐり』の存在を知っていたのかもしれません」。

 「伝説」とされてきた岩穴。発見の通報が東宮さんにあったのは9月4日、赤城山のふもとにある赤城寺(せきじょうじ)の住職、中沢真名さん(62)からだった。山の斜面から崩れ落ちてくる石が多く、落石防止の工事を進めていたところ、道路沿いのがけの上に岩穴があることに工事関係者が気づいたという。

 東宮さんが現場に向かうと、巨岩をくりぬいたような穴(最頂部は約2・5メートル)があり、十一面観音など5体の仏像が安置されていた。「火山性の噴出物が土砂や他の岩石を巻き込んで固まった集塊岩が長年の風雨にさらされ、崩れ落ちてできた空間ではないか」とみている。

 工事関係者によると、現場で…

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