北朝鮮新型ミサイルも議論 日米韓高官が東京で連携確認

松山尚幹、相原亮、ソウル=鈴木拓也
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 北朝鮮情勢をめぐり、日米韓3カ国の高官は14日、東京都内で協議した。北朝鮮側が日本を射程に収める能力があるとする新型長距離巡航ミサイルの試射についても議論し、懸念を共有したとみられる。

 協議は以前から予定された日程だったが、試射直後のタイミングとなった。外務省の船越健裕アジア大洋州局長、米国務省のソン・キム北朝鮮担当特別代表、韓国外交省の魯圭悳(ノギュドク)・朝鮮半島平和交渉本部長が出席し、約1時間20分間行われた。3氏の協議は6月以来。冒頭、船越氏は「日米韓協力の重要性は北朝鮮の問題だけでなく、地域の平和と安定にも及ぶ」と述べた。

 日本の外務省の発表によると、北朝鮮の核・ミサイル開発の動向も念頭に、北朝鮮の完全な非核化の実現に向け、引き続き緊密に連携していくことで一致したという。

 日米韓でも協議されたとみられる巡航ミサイル試射について、朝鮮中央通信は13日、巡航ミサイルが楕円(だえん)や8の字の軌道を描き、発射から7580秒(約2時間6分)で1500キロ先の標的に命中した、と伝えている。事実なら、日本本土が射程に入り、在日米軍基地も標的となりうる。

 日本政府内にも、北朝鮮が核弾頭の小型化に成功し、巡航ミサイルに搭載できるようになれば大きな脅威になる、との指摘がある。岸信夫防衛相は14日の会見で「北朝鮮ミサイル発射技術を向上させているので、しっかり情報収集、分析、警戒監視を行っていく」と語った。

 警戒感の背景には、巡航ミサイルが弾道ミサイルと異なり、低空を飛ぶため、レーダーでの探知が難しいという事情もある。複数の韓国メディアが軍当局者ら消息筋の話として米韓当局が探知に失敗したと報じたが、韓国の徐旭(ソウク)国防相は14日の国会で、探知していたと明らかにした。報道内容を打ち消す狙いがあったとみられる。ただ、飛行距離や性能などについて、どの程度把握できているかは「米韓で分析中なので詳しくは申し上げられない」と述べるにとどめた。

 現時点で、韓国政府の反応は抑制的なものとなっている。巡航ミサイル発射は国連の安保理制裁決議で禁止されていないほか、文在寅(ムンジェイン)政権は人道支援離散家族の再会事業などを通じた南北関係の改善をめざしており、北朝鮮を刺激したくないからだ。

 韓国軍も開発の最終段階にある潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の試射を控えており、北朝鮮側の反発を抑えたいとの思惑も働いたようだ。(松山尚幹、相原亮、ソウル=鈴木拓也)