声そっくり「ツツピー」の違いわかる? 小鳥の聞き分け、実験で解明

小堀龍之
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 国立科学博物館の研究者が、小鳥のヤマガラの雄は別種の小鳥シジュウカラがいない地域ではシジュウカラの声に反応するが、両種ともいる地域だと声の違いを聞き分けられることを実験でつきとめた。両種はどちらもスズメくらいの大きさで、「ツツピー」という鳴き声が似ている。

 動物研究部の浜尾章二グループ長は南西諸島で2014~16年、ヤマガラとシジュウカラがいる島と、ヤマガラしかいない島で、声の聞き分け能力に違いがあるかを比べた。ヤマガラのなわばり内の木にスピーカーをぶら下げ、ヤマガラとシジュウカラの声を再生。ばらばらの順番で3分ずつ流し、ヤマガラの雄計355匹がスピーカーに近づいた時間と距離を観察した。

 すると、シジュウカラがいないトカラ列島のヤマガラは、どちらの声にも同じくらい反応したが、シジュウカラがいる沖縄本島のヤマガラは、地元のヤマガラの声には強く反応したものの、シジュウカラにはほとんど反応しなかった。

 ヤマガラの雄はライバルに反応しないと縄張りを奪われるリスクがあるため、シジュウカラがいない地域では、よく似た声に反応したとみられる。ただ、別種の雄の声に無駄に反応すると、雌を守ったり子育てをしたりする時間やエネルギーを浪費するため、別種がいる地域では、声が似ていても種を認知するようになったと考えられるという。

 研究成果は動物行動学の国際誌(https://doi.org/10.1016/j.anbehav.2021.07.023別ウインドウで開きます)に発表した。(小堀龍之)