新発表iPhone13は撮影機能向上 自社への囲い込み戦略にも力

サンフランシスコ=尾形聡彦
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 米アップルが、毎年恒例のiPhone(アイフォーン)発表会で14日に打ち出した新たな「13」シリーズは、外見のデザインでは大きな変化がない一方で、カメラなどの機能の中身を充実させた形だ。新たなiPadでは、ビデオ通話の機能を拡充し、コロナのもとでの環境変化に対応する狙いもみえる。さらに、アプリを通じて、アップルの利用者を囲い込む戦略もさらに進展させている。

 「iPhoneのカメラのシステムでこれまでで最大の進化だ」

 ティム・クック最高経営責任者(CEO)は14日、最上位機種「13プロ」の機能面の向上をこう強調した。

 「13プロ」は、昨年発表の「12プロ」同様に、背面に望遠、広角、超広角の三つのカメラが配置されているが、カメラのセンサーとレンズをいずれも刷新。暗い場所での撮影や、より精細な画像のほか、初めて接写も可能になった。

 「13」は、二つのカメラの配置が斜めになり、新たなセンサーでより多くの光をとりこめるようになった。映画のような動画を撮影する機能も拡充された。

 昨年の「12」では初めて5Gに対応したことが目玉だったが、今回発表された「13」では、カメラや動画の機能の大幅な改善が特徴だ。グーグルなどライバル社がスマートフォンのカメラの高性能化を急いでおり、写真や動画機能の競争が激化していることが背景にある。「13」では、ディスプレーの画面がさらに鮮明で明るくなり、バッテリーの持ち時間も向上した。

 iPadの新機種では、ビデオ通話の機能を高めた。新たな「ミニ」と「iPad」では、ディスプレー側の1200万画素のカメラを採用。在宅勤務や、学校でのリモートでの授業が増え、タブレット端末を使う人が増えており、iPadは記録的な売り上げを続けている。ビデオ通話に出るときに、利用者がより精密な映像で参加できるようになる。また、利用者が動き回っても、映像の中央になるようにカメラが自動で調節する「センターステージ」と呼ばれる機能を、「ミニ」と「iPad」にも導入した。

 アップルがここ数年力を入れている、有料のアプリで、アップル機器の利用者を自社サービスに囲い込む動きもさらに進んでいる。米国で人気の「フィットネス・プラス」は、ブラジルフランスドイツなど新たに15カ国に拡大することが14日に発表された。(サンフランシスコ=尾形聡彦