社員6割が障害者の子会社も ソニー前会長「必要な配慮さえあれば」

V500

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 「障害とビジネス」フォーラムが8月20日、東京・大手町で開かれた。日本財団と、障害者が活躍する社会をめざす世界500社のネットワーク組織「The Valuable 500」が共催。障害者の視点をビジネスに取り込む価値について、ビジネスリーダーらが意見を交わした。

 日本のビジネスリーダーによる基調講演では、ソニーのシニアアドバイザーで前会長の平井一夫さんがオンラインで登壇。自身の経験をもとに、障害者インクルージョン(包摂)を推進する意義を語った。

経営難からの再建で考えた多様性

 2012年に社長兼最高経営責任者(CEO)に就任。経営難のなか、再建に向けて「ソニーグループの全ての社員はお客様に感動をお届けすることをめざしていく」との方向性を定め、「あらゆる国籍や人種、障害の有無、ジェンダーなど、多様な個性を持つ社員の誰もが力を発揮することが欠かせない」と考えた。

 障害者雇用について、「創業者の時代からトップ自ら推進してきた」と語り、社員の6割以上が障害者の特例子会社「ソニー・太陽」(大分県)が生産方式を工夫して高性能マイクを製造している事例などを紹介。

 こうした障害者雇用のノウハウは、グループ各社で共有され、生かされているとした。

 大分県で開催される国際車いすマラソンでは社員も活躍。平井さんは現地で社員と交流を重ね、「仕事でもスポーツでも、必要な配慮さえあれば障害の有無は関係ないと身をもって実感した。ソニー全体にとっても多様性を生かすことが必然だと再認識するよい機会だった」と振り返った。

 その上で、「世界を感動で満たすには、あらゆる事業に携わる世界中の社員がベクトルを合わせて行動することが不可欠」と強調。「国籍や人種、障害、ジェンダーなど、あらゆる多様性を尊重し、チームの力を引き出せるのはリーダーだけだ」とした。

 さらに、近年は知的障害や精神障害の人の活躍を図る「ニューロダイバーシティー(脳神経の多様性)」という概念も出てきたとし、「障害のある人たちへの変革が起こっている今だからこそ、経営者自らが行動することが必要ではないか」と訴えた。