自宅にいても、カフェ店員 コーヒーいれるロボットが世界を広げた

V500

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 世界500社のネットワーク組織「The Valuable 500(V500)」は、障害の有無にかかわらず誰もが個性や能力を発揮できる社会をめざし、雇用や製品サービスにおいてビジネスを変えていくことを目的にしている。参加企業が進める先進的な取り組みを紹介する。

 川田テクノロジーズは、障害や難病などで外出が難しい人が、遠隔操作でカフェの接客をしたりコーヒーをいれたりできるプロジェクト「テレバリスタ」に取り組んでいる。グループ会社が開発した産業用ロボット「NEXTAGE(ネクステージ)」と、外出困難者の社会参加を支えるオリィ研究所のロボット「OriHime(オリヒメ)」を組み合わせている。

 オリィ研究所は2018年から、コミュニケーションが得意な「OriHime」を外出困難者が遠隔操作して、カフェ店員として接客する実験をしてきた。ただ、コーヒーをいれる作業まではできなかった。

 一方、「NEXTAGE」は工場の製造ラインなどで人と並んで部品を組み立てる協働ロボットで、細かい作業が得意。パイロットと呼ばれる外出困難者が「OriHime」と「NEXTAGE」の両方を遠隔操作すれば、金属製のフィルターで抽出する「フレンチプレス」でコーヒーをいれることもできるようになった。

 オリィ研究所が6月から都内で営む「分身ロボットカフェ」のロボットを遠隔操作するのは、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患い、日常生活に介助が必要な藤田美佳子さんと、原因不明の心の病気を患って外出が難しい村井左依子さん。自宅から遠隔操作し、客と会話をしながらコーヒーをいれている。

 2人とも発病する前にカフェで働いた経験があり、「お客様の好みにあわせてもう一度自分でコーヒーをいれたい」と望んでいた。願いをかなえようと、オリィ研究所の吉藤健太朗代表が、川田テクノロジーズに協力を呼びかけた。藤田さんは「ロボットの手と体を借りて再びカフェに立てることがとてもうれしい。世界が広がりました」と話す。