中国「共同富裕」で格差は解消するか IT、芸能人を狙い撃ちの背景

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聞き手・小早川遥平
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 中国共産党習近平(シーチンピン)指導部が、「共同富裕」の実現を今後の重点目標として打ち出しました。貧富の格差を縮めて社会全体が豊かになることを目指すというものです。軌を一にするように、最近の中国では、IT企業や学習塾への締め付け、芸能人の摘発など富裕層を狙ったとみられる動きが目立ってきています。そもそも「共同富裕」とはどういった考えなのでしょうか。本当に格差を解消することができるのでしょうか。中国の農村や学校など現場での研究経験が豊富で、エイズ患者や農民工など社会的弱者の実態に詳しい東京大学の阿古智子教授に聞きました。

「共同富裕」とは

 ――8月に北京であった重要会議で、習近平氏が「共同富裕」の実現をめざす方針を打ち出しました。どのような考え方ですか。

 中国は社会主義を堅持してきた国ですが、実際には本来なら排除されるべき資本家が社会の中心的な役割を果たしています。こうした「社会主義市場経済」を「中国の特色ある社会主義」と呼んでいるわけですが、本来の社会主義からあまりにも大きくずれて、今では富を持つ人と持たない人との格差が広がる一方という状況にあります。「共同富裕」とは、先に豊かになった人が後から来る人を支える形で還元していきましょう、ということから生まれてきた考え方です。

 ――具体的にはどう実現する…

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