急速に壊れるゾーニング、人間社会に押し寄せるウイルス 解決策は?

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聞き手・神田明美
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 新型コロナウイルスの流行の背景には何があるのでしょうか。国立環境研究所室長で保全生態学が専門の五箇公一さんは、自然破壊や行きすぎたグローバル経済という現代社会の暴走が原因だと指摘します。話を聞きました。

 ――新型コロナウイルスが人間社会に入ってきた背景をどうみていますか。

 野生動物は体内に多くのウイルスを保有しています。ウイルスは宿主の動物の体内で進化を繰り返しています。その中で、たまたま人間に感染できるように変異するものがあります。たまたま人間がそのウイルスに近づくことがあれば、人間に感染してその体内で一気に増えるのです。新型コロナや、エイズ、エボラ出血熱などの新興感染症は、野生動物が持っていたウイルスが原因と考えられています。

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五箇公一さんは、10月17~21日にオンラインで開催される朝日地球会議に登壇します。参加費は無料。事前登録が必要です。

 ――なぜ、野生動物のウイルスが人間と近づくことになるのですか。

 野生動物の生息域と人間がすむ社会の間には本来、境界線があって、相互に深く干渉し合わないようすみ分ける「ゾーニング」が成立していました。しかし、それが急速に壊れ始めています。自然破壊や里山放棄などによってゾーニングが維持できなくなって、野生動物と人間社会の接触機会が増加していると考えられます。

 ――人が入り込みすぎているのですね。

 そうです。なおかつ、自然林を開発し、そこに、集約して単一的に家畜動物を飼育する場が広がることで、野生動物から家畜へとウイルスが伝染して、家畜の体内で人間に感染するように変異したウイルスが増殖するというケースが多発しています。例えば、ブラジルではアマゾンの森林を切り開いて肉牛の牧場にしており、いずれこれらの地域からも新たな感染症が生まれる可能性が指摘されています。

記事の後半で五箇さんは、グローバル資本主義とウイルスの因果関係について触れていきます。

 ――野生動物が人間社会に来…

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