自民総裁選、安倍・菅政権の「負の遺産」を回避 3氏とも打算にじむ

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菊地直己、山下龍一 吉川真布
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 自民党総裁選の告示が迫る中、焦点の一つとなっているのが、安倍晋三前政権と菅義偉政権をどう評価し「次」につなげるかだ。9年近く続いた両政権は、特に安倍政権の後期以降は「1強」の弊害ともいえる不祥事が相次いだ。今のところ立候補予定者に、正面から総括にあたる機運は乏しい。野党は「反省なき総裁選」の限界を指摘する。

 15日夕、自民党総裁選の構図に大きく影響する記者会見があった。石破茂元幹事長が立候補断念を正式に表明したのだ。

 「自民党を、政治を変えようという思いを持つ者が、可能な限り一致して総裁選を勝ち抜くことが重要だと考えた」。見送りの理由をそう語り、河野太郎行政改革相の支援に回る考えを示した。国会議員の支持の広がりが見込めず、事実上、総裁選レースのスタート地点に立つことができなかった。

 石破氏は党内で、安倍前首相の政権運営に公然と異論を唱えてきた数少ない議員だ。総裁選では、憲政史上最長となった安倍前政権やその後継の菅政権の評価も問われるが、この間、重要ポストを担ってきた岸田文雄政調会長、河野氏、高市早苗総務相が、その正否にどれだけ切り込めるかは見通せない。「党の懐の深さを示す意味では、石破さんが総裁選に出た方が良かった」(閣僚経験者)との声も一部で漏れた。

 石破氏の不在でとりわけ論戦の単色化が予想されるのが、前政権以降の不祥事や政治姿勢などの問題だ。

 森友学園をめぐる公文書改ざん問題、獣医学部新設をめぐり「総理のご意向」という文書が見つかった加計学園の問題、安倍氏の地元の支援者らが多く招かれていた「桜を見る会」の問題など、前政権では長く政権の頂点にいた首相をめぐる疑念や疑惑が相次いだ。行政の公平性・公正性に関わる問題だけに、国会でも多くの時間が審議に費やされてきたが、疑念は依然、残されたままだ。

 ただ、立候補予定者3人は問…

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