めざすは「海外経由なでしこ入り」 米国一の大学でプレーする有望株

勝見壮史
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 日本初の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」が始まった一方で、海外でキャリアアップを目指している選手もいる。世界をリードする米国の強豪サンタクララ大でプレーする根津茉琴(まこと)もその一人。今年5月に全米女子大学選手権で優勝を果たした有望な20歳だ。

 根津は、サンタクララ大で攻守のつなぎ役である守備的MFとしてレギュラーをつかんだ。日本サッカー協会(JFA)が将来の代表選手育成などを目的に運営する「JFAアカデミー福島」の出身。東京オリンピック(五輪)に出場したMF遠藤純(21)は同期だ。「刺激を受けている。早く追いつきたい」と話す。

 中学時代から、米国に憧れていたという。JFAアカデミーで遠征に行ったのがきっかけだった。グラウンドや筋力トレーニング用のジムをはじめ、行く先々の大学で施設が整っていた。女子サッカーの環境は日本よりはるかに充実していた。対戦した大学チームのスピーディーなプレーにも魅せられ、「アメリカ、いいなって思い始めました」。

 高校卒業後の進路を考えるにあたって、渡米を決意した。サッカー留学を目指す選手の合同セレクションや、仲介者の支援もあってサンタクララ大へ。チームの練習に参加してみると、「フィジカルの強さは驚異的だった。予想はしていたけど、日本とは全然違った」。公式戦さながらにシャツを引っ張り合う激しさにもびっくりさせられた。

 根津は身長164センチ。大柄な選手が多い米国で少しでも体格差を埋めようと、筋力トレーニングに精を出す。その上で根津が考えているのは「走る量で勝つ」ということだ。

 米国選手は足の長さがある分、日本選手ほど位置取りにこだわらない。だから守備では、一歩早く動いてパスコースを消す。逆に攻撃では、球を持った選手からパスを受けられる位置を取り続ける。

 「最初のポジショニングが良ければ、(速く走る)スプリントをしなくてもいいときもある」

 「よーいドン」ではかなわなくても、先に動き出すことができれば勝負できる。「運動量なら日本人でも勝てる」。それが米国でプレーしての実感だ。大学卒業後は、米国のプロリーグをめざしつつ、欧州のクラブでプレーするチャンスも探りたいという。

 16~17歳までは年代別の日本代表に選ばれた経験がある。なでしこジャパンについては「ただ選ばれるだけではなく、ワールドカップや五輪に出て、活躍したいという夢がある」。米国で頑張ることが、その土台作りになると思っている。(勝見壮史)