中国恒大集団の経営危機、日本・世界経済に影響は? 専門家の見解

渡辺淳基、千葉卓朗
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 中国の不動産大手・中国恒大集団の経営危機は、日本経済への影響も心配されている。15日は東京や香港などの株式市場で値下がりがめだった。専門家は今後の中国共産党指導部の対応に注目する。

 この日の東京株式市場では、日経平均株価が前日終値から158円39銭(0・52%)値下がりし、3万511円71銭で取引を終えた。このところの値上がりの反動に加え、中国経済の先行き不安も売り材料になっている。香港株式市場のハンセン指数も下がった。アジア市場を中心に投資家の警戒感が強まっている。

 中国経済はコロナ禍からいち早く回復してきた。中国向けの輸出は堅調で、日本の大手メーカーなどは中国の経済成長に期待する。恒大集団の危機が深刻化すれば、中国だけでなく日本の景気も左右しかねない。中国経済に詳しい大和総研の斎藤尚登・主席研究員は「不動産開発への投資が減れば、中国経済の成長率を押し下げる可能性はある」と指摘する。日本企業の関係者にも、中国の成長鈍化への懸念が広がる。

 中国の指導部は、これまで不動産バブルを抑えようと規制を強化してきた。斎藤氏は「金融危機が起きないことを前提に、不健全な企業には責任をとらせるのではないか」とみる。

 恒大集団は中国不動産大手の中でも借り入れへの依存度が高く、経営問題が取りざたされてきた。規制強化もあって、新たな資金調達が難しくなったとみられる。

 国内大手証券の中国担当者によると、現時点では恒大集団1社の資金流動性の問題にとどまっているとみられている。会社側には売却できる資産もあるとされ、「直ちに経営が行き詰まるとは考えにくい」との見方がある。

 「リーマン・ショック」のような世界的な経済危機につながることも市場では不安視されているが、この担当者は「過度に警戒する必要はない」と話す。中国政府が事態収拾のため、会社側と投資家との仲介をしようとしているという。

 ただ、担当者は不透明感が強まっているのは間違いないとしており、「中国に建材を輸出する企業など、日本でも関連産業には影響が出かねず、状況を注視する必要がある」と呼びかける。渡辺淳基、千葉卓朗)