ナラ枯れ被害、昨年度の数倍か 都内ほぼ全域で拡大

前川浩之
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 東京都内の森林や公園で、広葉樹伝染病「ナラ枯れ」が広がっている。都によると、原因菌を運ぶ虫が活発化して急拡大した昨年度は1千~2千本の被害があったが、今年度はさらにその数倍に拡大している恐れがあるという。

 ナラ枯れは体長4~5ミリの甲虫、カシノナガキクイムシが運ぶナラ菌が原因で、コナラなどの広葉樹が枯れる。紅葉でもないのに葉が茶色に変色し、一度枯れると木が生き返ることはないという。虫は木に潜って産卵し、越冬して翌年また活動することで被害が広がる。

 都自然環境部緑環境課によると、都内では檜原村と奥多摩町を除くほぼ全域で被害がみられる。直径20センチ以下の若い木は枯れないが、大きな老木が被害にあうといい、炭や薪として使われなくなった木が大きくなりすぎたのが原因の一つという。

 町田市八王子市にまたがる「七国・相原特別緑地保全地区」(44・6ヘクタール)でも被害が目立つ。週末に自然観察に訪れるという北里大学の和田浩則教授(50)によると、昨年夏にナラ枯れに気づき、今年はさらに広がったという。ハイキングコース脇で樹木が倒れるなどしている。和田教授は「炭や薪の生活に戻るのは難しいので、後生に少しでも自然を残せるよう、今から被害木伐採などの対策が必要だ」と指摘する。

 町田市によると、市内の被害は数百本と推定。倒木などの危険があるものは伐採するが、ほかはトラップ(わな)を設置して虫を捕獲し、様子を見るという。前川浩之