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石川・富山で子どもの「未受診」が高水準に コロナの影響も

波多野陽
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 学校での健康診断の結果、医療機関での受診が必要とされたのに、受けていない子どもが多い――。そんな調査結果を、石川県富山県の保険医協会がまとめた。新型コロナウイルスによる受診控えも一因という。

 保険医の全国団体「全国保険医団体連合会」が31都道府県で実施した調査の一環。小中学校と高校、特別支援学校での2020年度の健診で要受診とされた子どもが、その後受診したかどうかなどを尋ねた。石川では349校中115校、富山で328校中79校から回答があったという。

 歯科健診で要受診だった子は石川で30・3%、富山で22・4%。うち石川は49・8%、富山は59・2%が未受診だった。石川県保険医協会による18年の同種調査の際には未受診率は35・9%だったという。

 同協会は背景に、保護者の理解不足や貧困に加え、新型コロナによる受診控えを挙げる。さらに、歯科医師でもある平田米里・同協会副会長は「外出が減って甘い物の摂取が増えたのでは」と、子どもの口腔(こうくう)環境が悪化している可能性を指摘する。

 このほかの未受診率は、視力検査(石川51・2%、富山62・5%)、耳鼻科(石川54・2%、富山55・8%)、聴力検査(石川31・9%、富山36・8%)、内科(石川39・2%、富山56・1%)だった。

 調査では、コロナが児童・生徒の健康に影響した事例も尋ねた。「ある」としたのは、石川で115校中44校(38・3%)、富山で79校中30校(38・0%)。最多は「肥満の増加」(石川20校、富山14校)で、「視力低下の増加」(石川19校、富山13校)が続いた。

 自由記述欄には、「コロナのため、学校としても治療を積極的に勧められなかった」「休校で家庭の生活習慣(口の衛生状態、体重の増減、メディアの利用時間が増える)が健康状態に影響した」といった見方が寄せられたという。

 石川県保険医協会の三宅靖会長は、インフルエンザの減少など、コロナ禍が子どもの健康に与える影響が悪いものばかりではないとしたうえで、「成長期に適切な治療を逃すと、取り返しがつかなくなってしまう。何としても受診して欲しい」と呼びかける。(波多野陽)

自由記述欄に寄せられた声

・歯垢(しこう)、歯肉炎が増加した(高校)

・難聴や視力低下が放置されている(中学校)

・虫歯が10本以上で校医がネグレクトを疑う子がいた(小学校)

・全体的に視力は低下している。今まであまりなかった体重増減の問題もあった(小学校)

・保健室来訪者が例年の2倍に増加した(小学校)

・中3まで医療費がかからないのに受診しない家庭がある(小学校)

医療保険に未加入の家庭があり、経済的な負担が生じるケースは受診を勧めるのに苦慮する(中学校)