ハワイ州観光局「自然に優しい日焼け止めを」 世界各地で広がる規制
強い日差しから肌を守る日焼け止めの使用や販売を規制する動きが、国内外のビーチや海で出始めている。日焼け止めに含まれる一部の成分が、観光や漁業に欠かせないサンゴ礁に悪影響を与える恐れがあるためだという。
「ハワイの自然、そして世界を繫ぐ海の環境を守るためにも、どこにいても自然に優しい日焼け止めを使いたいですね」
日本人にも人気の海外リゾート、米ハワイ州の観光局は今年1月、日本語公式ツイッターでこう呼びかけた。同月から、一部の日焼け止めの販売が禁止されたことなどを案内している。
他にも、カリブ海の米領バージン諸島、太平洋の島国パラオ、東南アジアのタイなどでも、販売や使用、持ち込みなどを規制する動きが広がる。違反すると罰金になる場合もある。
環境省によると、日本では、日焼け止めの使用や販売に規制をかける動きはまだない。ただ、沖縄県石垣島の米原海岸では、環境省や市などがつくる協議会が独自ルールを定めた。世界の動きを受け、一部の日焼け止めを使わないよう、2019年から呼びかける。
国際自然保護連盟(IUCN)でも、20年の総会で、サンゴ礁が日焼け止めが含む化学物質にできるだけさらされないよう、法や規制の整備を奨励する決議が採択された。規制の流れは強まる可能性がある。
いずれの地域でも対象となっているのは、オキシベンゾンやオクチノキサートといった特定の化学物質が含まれる日焼け止めだ。日本で販売されている日焼け止めにも含まれているものがある。海水浴客などを介して、海に流れ出る日焼け止めの成分が、サンゴに悪影響を与える、という研究成果が報告されるようになった。成分が、サンゴの白化を促したり、成長を阻害したりする可能性があるという。
サンゴ礁の面積は世界の海の…
- 【視点】
SDGs市民社会ネットワークでは、2018年に国際サンゴ礁年を記念し「サンゴと共生する社会とは」というセミナーを開催、沖縄でインバウンド増による観光振興と、世界有数のサンゴ礁の保全への配慮をどう両立させるか、研究者や国際機関、沖縄の事業者で