第1回ムラ社会的な秩序は壊れるか 岐路に立つ自民、鍵は内部の多元性

有料会員記事自民党総裁選2021自民

聞き手 シニアエディター・尾沢智史
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 17日に告示された自民党総裁選は、「安倍1強」「官邸主導」「政高党低」と言われてきた政治体制が変わるかどうかも焦点です。総裁選をめぐる動きにその萌芽(ほうが)はあるのでしょうか。「自民党―『一強』の実像」などの著作がある一橋大学教授の中北浩爾さんに話を聞きました。

 ――今回の自民党総裁選は、過去の総裁選と比べて違いはありますか。

 「『選挙の顔』を選ぶという性格がこれまでになく濃厚であることです。国民投票に近いものになっているといえばわかりやすいでしょうか」

 「2008年に麻生太郎さんが選ばれた時など、衆院選が近いことを前提にした総裁選はありましたが、衆院任期満了まで若干の余裕はあった。今回ほどぎりぎりのタイミングだと、どうしても『選挙に勝てる総裁』という点が前面に出てきます」

 「党員・党友票のウェートが上がっていることも大きい。01年に小泉純一郎さんが選ばれた時は、党員票の割合は3分の1くらいでしたが、今回は議員票と同数です。党員・党友票は、世論の動向に影響されやすい。さらに、現職の総裁の不出馬で、党内秩序が崩れた。いわば自民党という瓶を覆っていた『ふた』が開いて、世論がストレートに入り込みやすくなっています」

写真・図版
自民党総裁選で当選を決め、拍手にこたえる小泉純一郎氏=2001年4月24日午後、東京・永田町の自民党本部

 ――「顔」になりそうな候補が有利というわけですか。

 「いえ、それほど単純ではありません。この総理・総裁できちんと政権運営ができるかという点も重要です。来年夏には参院選もあります。参院議員にすれば、そこまで安定して維持できる政権でないと困るわけです。特に決選投票になれば、議員票が主体になりますから、政権担当能力が決め手になる可能性もあります」

 ――自民党議員の動向に注目すべき点はありますか。

 「福田達夫さんたち『若手』…

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