フィリピン麻薬戦争「人道に対する罪」で捜査 国際刑事裁判所が承認

ハノイ=宋光祐
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 国際刑事裁判所(ICC、本部=オランダ・ハーグ)は15日、フィリピンドゥテルテ政権が「麻薬戦争」として進めた麻薬犯罪容疑者の超法規的殺害について、「人道に対する罪」の疑いで正式に捜査することを承認したと発表した。検察局が申請し、予審裁判部が審理していた。

 麻薬犯罪の撲滅を掲げるドゥテルテ大統領は2016年の就任後、強硬な取り締まりを主導し、警官による容疑者の殺害を事実上容認してきた。フィリピン政府によると、麻薬犯罪の取り締まりに関連する死者は今年4月時点で6千人を超えている。

 ICCの検察局は18年、フィリピン人弁護士の告発を受けて予備調査を開始。今年6月、正式な捜査の許可を申請した。検察局は超法規的な殺害の犠牲者はフィリピン政府の数字より多く、16年7月~19年3月に1万2千人から3万人に上るとしている。

 予審裁判部は「国策のために一般市民への広範囲で組織的な攻撃が行われた可能性がある」とし、「捜査を始める合理的な根拠がある」と結論づけた。

 フィリピンは19年3月、予備調査の開始に反発してICCから脱退。ドゥテルテ氏は捜査に協力しない意向を示しているが、ICCは脱退前までの行為には司法権が及ぶと判断した。(ハノイ=宋光祐)