おとぎ話の森に迷い誘われて 服とアートが融合する ひびのこづえ展

有料会員記事ファッション

編集委員・高橋牧子
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 おとぎ話の森に迷い込んだよう。コスチュームアーティスト、ひびのこづえの過去の代表作や新作など350点以上を一堂に集めた「森に棲(す)む服/forest closetひびのこづえ展」が、横浜市そごう美術館で開催中だ。服とアートを融合した、夢のある服の数々。大人も子供も楽しめる展示になっている。(編集委員・高橋牧子)

 会場はわくわくするような七つの「森」に分けられ、ひびのが手掛けてきた舞台や、雑誌などに提供した衣装や映像などが幻想のように並ぶ。「ドラえもんの“どこでもドア”みたいに、扉を開けたら違う世界の深い森にお連れできたらと考えた」と、ひびの。

 入り口の「巨大な生き物の森」には、カエルやカメなどの大きなバルーンがゆらゆらと浮かぶ。白く光るカエルの卵がからみつく真っ赤なジャケットも。

 「AR(拡張現実)で服が動く森」では、クモの巣柄が大きく刺繡(ししゅう)されたり鳥かごが縫い付けられていたりする不思議な服。スマホをかざすと、ダンサーのアオイヤマダがその服を着て踊る動画が見られる。以前、野田秀樹が演出した舞台の衣装などが、風に吹かれて揺れる。

 過去の作品を解体して再構築するなど、リサイクルの試みも多い。2005年に福井県鯖江市の催しで使った黒いワンピースを土台にして、刺繡などでコミカルに動物を描いた幕は“コワかわいい”作品だ。

 ひびのは1988年から創作を開始。NHKのEテレの番組「にほんごであそぼ」の衣装やセットのデザインでも知られる。最近は自身でダンスパフォーマンスの企画や演出も担う。「人間の身体性に興味があって作品を作り続けてきた。人は服を着てどう動いて、生きていくのかを伝えたいし、見て欲しい」という。

 企画を担当したそごう美術館の中村麗(うらら)学芸員は「ひびのさんの、想像力をかきたてる形や楽しい色彩の魅力を体感して欲しい」と語った。

 10月10日まで。入場料は一般1300円。

「どれだけ人間って素敵なのかを見せる手助けになれば」

 ひびのこづえに展覧会や物作りについて聞いた。

 ――コスチュームのデザインとは。

 台本があれば、その言葉から…

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