「ミゲルの墓」でほぼ完全な人骨出土 副葬品見つからず

森川愛彦
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 長崎県諫早市多良見町山川内で進められていた天正遣欧少年使節の1人、千々石(ちぢわ)ミゲルの埋葬地とみられる墓所の第4次発掘調査がほぼ完了した。調査チームは16日の最終説明会で、ミゲルの可能性が高い成人の人骨がほぼ完全な形で出土したと報告した。ただ、副葬品は見つからず、ミゲルの棄教が事実かどうかは不明のままだ。

 発掘責任者の田中裕介・別府大教授によると、人骨は手や足など一部を除き、ほぼ全身分が出土した。年齢推定の鍵となる歯も見つかった。顔は南を向き、脚を折り曲げた横向きの姿勢で、長さ140センチ、幅40センチの木棺に収められていた。

 4年前の第3次調査では妻の墓からロザリオと見られるガラス玉類が見つかっている。今回、同様の副葬品が「ミゲルの墓」からも見つかれば、棄教したとされるミゲルが実はキリスト教信仰を捨てていなかった証しになるとして、調査チームは期待をかけていた。しかし、結局、副葬品は見つからなかった。ただ、田中教授は「銅銭など仏教の儀式に使う品も出土していない」と強調。棄教が事実だと断定することもできない考えを示した。

 人骨は今後、専門家の手で取り出し、性別や年齢などを鑑定する予定だ。今後の墓所の管理については、調査チームと諫早市で相談して決めるという。

 ミゲルの子孫で調査チーム代表の浅田昌彦さん(68)は「388年を経て17代も前の先祖の骨に出会えるとは、感激の一言です」と話している。(森川愛彦)