イオンモールにつながる自動運転バス計画 難問解決の鍵は川のふた

堤恭太
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 埼玉県川口市は、家族連れでにぎわう市立グリーンセンターと大型商業施設イオンモール川口の間約480メートルで、自動運転バスを運行する計画を進めている。現状の自動運転バスはまだ市街地を走るのは難しいが、双方をつなぐように流れる川にふたをして専用道路にすれば用地買収を伴わず可能だとして、5年以内に実現させる考えだ。

 グリーンセンターは約15ヘクタールの都市型植物園で、年間約50万人が訪れる市民の憩いの場。約150店が入るイオンモール川口は年間800万人の来場を目指す。それぞれ集客力のあるこの2カ所を自動運転バスで結んで相互利用や回遊性を促進させ、地域の活性化につなげる計画だ。

 自動運転バスについて市は過去2年間、さいたま新産業拠点「SKIPシティ」と埼玉高速鉄道・鳩ケ谷駅間の公道(約1・7キロ)で実証実験を繰り返した。道路への人間の飛び出しや路上駐車などを避けるにはまだ運転手の操作が必要で、市街地での実用化は難しいとされた。

 一方で、グリーンセンターとイオンモールをつなぐ地域活性化は市の課題。しかし自動運転バスの専用道路を造るには、用地買収などの難問が多くあった。そこで2カ所の間に笹根川が流れているのに目をつけ、その上にふたをして専用道を設けることにした。

 川はすでに半分ほどがふたで覆われ、残りは川沿いが遊歩道などになっている。現状のふたは補強し、残りの部分は川面をのぞけるように覆う予定だ。

 車両は約10人乗りのトヨタの自動運転車両を使用する。トヨタは静岡県裾野市で自動運転バスを街の足とする実験都市「ウーブン・シティ」の建設を進める実績がある。同社が東京五輪パラリンピック選手村で運行させた自動運転車両「eパレット」がベースになる可能性が高く、市は、そうしたノウハウもトヨタから受けたいとしている。

 14日に市とイオンモール、ネッツトヨタ東埼玉など4者が連携協定を結んだ。市は「近未来技術で地域を活性化して新しい暮らしを提供したい。最終的には運転手なしで走らせたい」としている。(堤恭太)