女性解放運動、伊藤野枝を忘れない 福岡で街頭活動

宮野拓也
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 女性解放に取り組んだ福岡県出身の活動家、伊藤野枝(のえ、1895~1923)が28歳で憲兵に殺されてから16日で98年。没後100年を前に、野枝の功績をより広く知ってもらおうと、福岡市で街頭活動があった。

 野枝は関東大震災から約2週間後、混乱の中で、夫で思想家の大杉栄と、おいで6歳の橘宗一と共に甘粕正彦ら憲兵隊に虐殺された。ジェンダー平等に関心が高まる中、3月に直木賞作家村山由佳さんが野枝を題材に書いた評伝小説「風よ あらしよ」が吉川英治文学賞に選ばれるなど、改めて注目されている。

 中央区・天神であった街頭活動は「Remember(リメンバー)916『大杉事件』を忘れない」。野枝の言論活動や理不尽な虐殺を通行人に訴えた。主催者の一人、イラストレーターのいのうえしんぢさん(51)は「地元の大先輩だと思っている。100年に向け活動していきたい」と話した。

 来月には、野枝の死後、福岡の野枝の実家で育てられ、後年草の根の市民運動家として知られた野枝の四女ルイ(1922~96)の生涯を描くドキュメンタリー映画「ルイズその旅立ち」(1997年製作)の上映会もある。

 九州シネマ・アルチの吉村秀二さんが、友人らと「映画には野枝やルイさんの生き方がよく出ている。もっと福岡の人に知ってもらいたい」と企画した。コロナ禍や非正規雇用といった現代社会の問題で、生きづらさを抱える女性たちに特に見てほしいという。元々は9月に予定していたが、コロナ禍の状況を見て延期した。

 上映会は、10月18日が福岡市西市民センター▽23日が福岡市男女共同参画推進センターアミカス▽30日が春日市クローバーホールで、各日午前11時と午後2時半の2回。

 野枝のおじで庇護者(ひごしゃ)でもあった代準介(だいじゅんすけ)のひ孫と結婚した福岡市の映画評論家、矢野寛治さんが各日午後1時半から講演する。参加費は前売り1200円(当日1400円)、障害者割引当日600円。高校生以下無料。問い合わせは九州シネマ・アルチ(092・712・5297)。(宮野拓也)

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