4候補の推薦人から見えるのは 前首相の影響、確保に苦労の痕跡

自民党総裁選2021自民

岡村夏樹
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 29日投開票の自民党総裁選に立候補した河野太郎行政改革相、岸田文雄政調会長高市早苗総務相野田聖子幹事長代行は届け出に必要な20人の推薦人名簿を提出した。名簿からは各陣営の狙いや思惑が透ける。

 河野氏の推薦人は、若手・中堅が中心となった。6派閥から推薦人が名を連ね、菅義偉首相に近い議員も目立つ。

 無派閥からは菅首相側近として知られる園田修光参院議員が名簿に載った。ほかの無派閥推薦人も菅氏を支援してきた面々が主だ。石破茂元幹事長の支援を受けることもあり、他陣営の名簿にはない、石破派からの推薦人も確保した。当選4回以下の衆院議員が11人を占め、党改革を意識した布陣といえそうだ。

 岸田氏は昨年の総裁選とは対照的に幅広い支援を受けていることをアピールする。

 昨年の推薦人は岸田派(16人)と谷垣グループ(4人)だけだったが、今回は岸田派と谷垣グループは各2人にとどめ、細田派、麻生派、竹下派、無派閥から各4人が名を連ねた。ベテラン・中堅・若手のバランスにも配慮している。昨年は菅首相支援に回った梶山弘志経産相が名を連ねたのも特徴の一つだ。

 高市氏の推薦人は、支援を表明している細田派出身の安倍晋三前首相の影響が色濃く表れている。

 細田派からは、選択的夫婦別姓に慎重な山谷えり子拉致問題相ら最多の7人が推薦人になった。二階派の衛藤晟一前沖縄北方相、無派閥の古屋圭司拉致問題相など安倍氏側近の議員も多く、男系の皇統維持を重視する議員を並べた。

 告示日前日に推薦人確保のメドがついた野田氏。推薦人は、過去の総裁選でも野田氏擁立を目指してきた浜田靖一防衛相など野田氏の個人的な人脈が中心だ。小泉政権下で郵政民営化に反対した野田氏らしく、元全国郵便局長会会長の柘植芳文参院議員の名前もある。

 一方で推薦人集めに苦労した跡もにじむ。無派閥で衆院議員の野田氏だが、参院議員が他候補と比べて多く、さらに特徴的なのは、幹事長代行として仕えた二階俊博幹事長が率いる二階派の推薦人が最多の8人を占めたことだ。二階派は、二階氏の幹事長続投を事実上否定した岸田氏以外の3候補に推薦人を送っている。(岡村夏樹)

 ◆河野太郎氏の推薦人は以下の通り

 〈推薦人〉

 【細田派】穴見陽一(3)、義家弘介(3)【麻生派阿部俊子(5)、高橋比奈子(3)、中西健治(2)参【竹下派】野中厚(3)、宮崎政久(3)、山下雄平(2)参【二階派伊藤忠彦(4)、岡下昌平(2)【石破派】古川禎久(6)、平将明(5)【石原派】坂本哲志(6)、石原宏高(4)、上野賢一郎(4)【無派閥】伊藤達也(8)、田中良生(4)、武村展英(3)、島村大(2)参、園田修光(1)参

 ◆岸田文雄氏の推薦人は以下の通り

 〈推薦人〉

 【細田派】高木毅(7)、吉野正芳(7)、森雅子(3)参、宮本周司(2)参【麻生派鈴木俊一(9)、山際大志郎(5)、猪口邦子(2)参、今井絵理子(1)参【竹下派】渡辺博道(7)、西銘恒三郎(5)、鈴木隼人(2)、二之湯智(3)参【岸田派根本匠(8)、堀内詔子(3)【谷垣グループ】加藤鮎子(2)、本田太郎(1)【無派閥】土屋品子(7)、石田真敏(7)、梶山弘志(7)、大野敬太郎(3)

 ◆高市早苗氏の推薦人は以下の通り

 〈推薦人〉

 【細田派】馳浩(7)、西村康稔(6)、高鳥修一(4)、佐々木紀(3)、山谷えり子(3)参、佐藤啓(1)参、山田宏(1)参【竹下派】木原稔(4)、小野田紀美(1)参【二階派山口壮(6)、小林鷹之(3)、小林茂樹(2)、衛藤晟一(3)参、片山さつき(2)参【谷垣グループ】黄川田仁志(3)【無派閥】古屋圭司(10)、江藤拓(6)、城内実(5)、石川昭政(3)、青山繁晴(1)参

 ◆野田聖子氏の推薦人は以下の通り

 〈推薦人〉

 【竹下派】百武公親(1)、渡辺猛之(2)参、元栄太一郎(1)参【二階派福井照(7)、大岡敏孝(3)、神谷昇(2)、出畑実(1)、鶴保庸介(4)参、三木亨(2)参、清水真人(1)参、岩本剛人(1)参【石原派】宮路拓馬(2)【谷垣グループ】川崎二郎(12)【無派閥】浜田靖一(9)、渡海紀三朗(9)、木村弥生(2)、山田俊男(3)参、柘植芳文(2)参、三原じゅん子(2)参、徳茂雅之(1)参