世界銀行、報告書で中国の順位に不正 IMF専務理事の関与指摘も

ワシントン=青山直篤
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 世界銀行は16日、毎年公表する報告書「ビジネス環境の現状」の2018年版で、中国政府高官からの不満を受けた世銀側が、データを不正に操作し、中国のランキングを引き上げたとの調査結果を公表した。当時世銀幹部だった国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事の関与も指摘している。

 世銀が外部機関に依頼した調査の結果によると、中国高官が17年5月ごろから、世銀のキム総裁(当時)ら高官に対し、17年版で78位だった中国の順位について、経済改革の努力を反映していないなどと、繰り返し不満を表明。当時、増資をめぐって中国などの主要国との関係に神経をとがらせていた世銀は、法的権利を示す指標など3項目を操作することを決め、中国の18年版の順位を本来の85位から7位引き上げ、前年と同じ78位にとどめたという。

 報告書は、ゲオルギエバ氏が「中国の順位を引き上げることに直接関与した」と指摘。キム氏についても「不正な変更を直接命じた証拠は確認していない」としつつ、部下がキム氏の意向をくんで操作した結果だと推定している。ゲオルギエバ氏は「調査結果には根本的に反対する」と反論する短い声明を出した。

 「ビジネス環境の現状」は20年版でも、サウジアラビアなどの順位が操作されたことがわかり、世銀は発行を中止すると発表した。(ワシントン=青山直篤)