ゲノム編集マダイ、食卓へ 1.2倍肉付きよく 養殖の効率化に期待

神宮司実玲、瀬川茂子
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 京都大発のバイオ企業「リージョナルフィッシュ」が17日、ねらった遺伝子を改変するゲノム編集技術を使って肉付きをよくしたマダイを、「ゲノム編集食品」として国に届け出た。厚生労働省のこの日の会議で、安全性の審査は不要と判断された。ゲノム編集食品の届け出は昨年12月、血圧上昇を抑える効果などがあるとされる「GABA(ギャバ)」の蓄積量を通常より約5倍高めたトマトに続いて2例目で、動物性食品では初めて。

 京都大や近畿大などが筋肉の成長を抑えている遺伝子「ミオスタチン」をはたらかないようにし、肉厚のマダイを開発した。従来の養殖のマダイと比べて肉付きが平均1・2倍になった。養殖の効率が上がることが期待されている。

 生産過程などを記載し、クラウドファンディングで190食分の予約販売を17日から始めた。10月から発送する予定。今後は、ゲノム編集食品と表記したうえで、インターネットでの販売を想定しているという。

 ゲノム編集食品は、遺伝子組み換え技術のように外部の遺伝子を入れない場合は、従来の品種改良と変わらないとして安全性の審査はせず、事業者に対し、任意の届け出を求めている。販売する際の表示も不要とされている。

 ゲノム編集は、ねらった遺伝子をこわしたり、新たに入れたりする技術。開発者が昨年ノーベル化学賞を受賞した「CRISPR(クリスパー)/Cas(キャス)9」によって、より容易にできるようになった。この技術を使うと効率的な品種改良が可能になるとして、収穫量が増えるイネなどの開発も進んでいる。トマトは15日からインターネット上で販売が始まった。(神宮司実玲、瀬川茂子