ささやくイマジン、大合唱の愛国歌 真実の声は小さく、うそはでかい

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天草支局長 近藤康太郎
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記者コラム 「多事奏論

 20年前、米同時多発テロでツインタワーが崩壊したとき、現場すぐ近くで取材していた。ニューヨークのダウンタウンに住んでいたのだ。

 アパートの近所にユニオンスクエア公園がある。テロのあと、ここには昼も夜も、だれかしら集まっていた。集会ではない。ろうそくに火をつけたりして、アメリカ人にしては小さな声で、自分の見たこと、感じたことを、話し合っている。人類史上でも未曽有の大事件を、自分ひとりでは受け止めきれない、ということだろう。

 その公園で、ときどき、小グループから歌声が起きた。いちばん多かったのは、ジョン・レノンの「イマジン」。

 想像してみなよ、平和な世界を。お花畑って嘲(わら)うかい? でもおれ一人じゃないぜ

 ソウル歌手マービン・ゲイの「ホワッツ・ゴーイン・オン」もよく聞かれた。

 エスカレートするな。戦争が答えじゃない

 しばらく歌うとフフフーンとかルルルーとかハミングに変わる。当然だ。歌詞をそらで覚えている人なんてそんなにいない。簡単なメロディーでもない。

 小さな歌があちこちで散発し…

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