ミャンマー国軍、為替相場の管理策を撤回 二重相場で混乱、通貨急落

ミャンマーはいま

バンコク=福山亜希
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 クーデターで国軍が権力を握ったミャンマーで、国軍の統制下にあるミャンマー中央銀行が為替相場の管理強化策を撤回した。クーデター後の混乱で起きた通貨チャットの急落への対応だったが、実勢レートとの二重相場が生じ、かえって混乱が深まっていた。

 中銀は9月10日、8月上旬に出していた管理変動相場制への移行の指示を「撤回する」とホームページ上で発表した。国軍の報道官は、現在の為替は「市場レートを反映している」と述べ、変動相場制に戻したことを認めた。

 管理変動相場制を採用していた間、中銀は1ドルを1600チャット台半ばから1730チャット台に定め、この値から上下0・8%の範囲内で取引するよう命じていた。だが、自国通貨への信用は高まらず、ドルを手元に置く市民が増加。両替商は実勢レートとの二重相場で商売を続け、現地メディアによると、実勢レートは史上最安値の1ドル=2020チャットにまで下落した。

 現地の金融関係者は「管理変動相場制に移行してもドル不足が解消されず、二重相場も進んだため撤回したのだろう」とみる。

 ミャンマーは2011年の民政移管後に、固定相場制から管理変動相場制に移行。16年から政権を担ったアウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)政権が実質的な変動相場制を採用し、長く続いた二重相場は解消に向かっていた。

 だが、今年2月のクーデターを機に、それまで1ドル=1300チャット台で推移していたチャットは急落。国軍は何とか相場を安定させようと、8月から管理変動相場制を復活させていた。(バンコク=福山亜希)