「愛犬の死、看取れなかった」 飼い主夫妻が動物病院を提訴

大野晴香
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 入院した愛犬(当時12)の死を看取(みと)ることができず、精神的苦痛を受けた――。名古屋市の夫妻が17日、市内の動物病院を相手取り、そんな訴訟を名古屋地裁に起こした。医療ミスもあったとし、慰謝料など約339万円の支払いを求めている。

 訴えたのは、同市の女性(66)と夫(67)。

 訴状によると、2019年5月、夫妻が飼っていたミニチュアダックスフントの「トリス」にせきや発熱の症状が出たため、動物病院を受診。11回通院し、7月3日に入院させたが、翌日死んだ。

 夫妻は病院側から「夜間も人がいる」と伝えられ、何かあれば対応してもらえると思ったから入院を決めたのに、実際には午後10時以降は無人で、「漫然と放置され死亡した」と主張。ペットの「死亡を見守る利益」を侵害され、精神的苦痛を被ったとしている。

 また、適切な検査や治療を怠って無意味な投薬を続け、説明も不十分だったとし、「治療方針を選択する自己決定権が侵害された」とも主張している。

 夫妻は、生後5カ月から飼っていたトリスは2人にとって「家族」と話す。特に難病で強い痛みに耐えながら生活している妻は「トリスがいるだけで支えになり、生きてこられた。人生の半分がなくなったよう」という。夫も「トリスがうちに来てから、ぬくもりを感じ、生活が明るく楽しくなった」と振り返った。

 動物病院は取材に「院長が不在」として対応しなかった。(大野晴香)