焼き肉屋になった和民、ロボも活用 コロナで進む「脱・居酒屋」

会員記事

山下裕志
[PR]

 居酒屋なのに、酒を出せない――。新型コロナ対策として都市圏などの店が求められ続けた酒の提供休止は、居酒屋業界の存在意義を根幹から揺るがした。それならばと広がったのが、従来のスタイルを大きく切り替える「脱・居酒屋」の動きだ。

写真・図版
居酒屋業態だった店を転換した「焼肉の和民」の店内=2021年9月11日、東京都調布市

 かつて居酒屋だった店内で、注文の肉をのせた皿が配膳レーン上を走り、受け取った家族連れや友人同士が次々に焼き網にのせていく。9月の土曜の晩、緊急事態宣言下の東京・調布。駅にほど近い焼き肉チェーン店「焼肉の和民」は、全25卓の半分弱が埋まっていた。

 入り口の貼り紙は「3分に1回 店内の空気が入れ替わる」と、無煙ロースターなどによる換気をアピール。ロボットが各テーブルを回って使用ずみの皿を回収し、人との接触を極力減らす。家族3人で訪れた40代の女性は「コロナで外食は控えているが、ここは安心だと思った」という。

 運営する外食大手ワタミが1月、店の業態を居酒屋から焼き肉屋に変えた。行政の要請に従い、営業は午後8時まで。酒は出さない。調布南口店の東滝俊一店長(32)は「宣言下でも営業できるのは、食事中心の焼き肉屋だから。居酒屋で戦えたかというと、しんどかった」と話す。

 2020年の居酒屋の市場規模は前年比で半減(富士経済)、上場する主要14社の20年度末の飲食店数はコロナ前から1048店減(東京商工リサーチ)――。昨年以降、業界は経験のない苦境に直面した。さらに今年はかき入れ時の夏、東京などでは酒が提供できない憂き目に。日本フードサービス協会の会員各社の居酒屋の売上高(全店)は7月、2年前の7割減に落ち込んだ。

消えた「和民」ブランドの居酒屋

 こうしたコロナ禍を受け、ワ…

この記事は会員記事です。残り861文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。

【10/25まで】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら