自民党員は新総裁に誰を選ぶ? 改革か、安定か…期待と注文

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 菅義偉首相の後継を決める自民党の総裁選が17日、告示された。コロナ禍をどう乗り越え、日本の将来を描くのか。「政治を変えて」「安定が一番」「女性に寄り添った視線を」。国会議員と同数の地方票の行方を左右する各地の自民党員からは新総裁への期待と注文が相次いだ。

 河野太郎氏の地元・神奈川県横浜市港北区の企業経営者、山本欣子さん(66)は河野氏に投じるつもりだ。「長いものに巻かれる人はいらない。自分の言葉で語ってくれる人がいい」

 30、40代が活躍する民間企業と、当選回数や年齢が重んじられる国政は「あまりに差がありすぎる」と感じる。「河野さんなら若い人の力をいかしてくれる。雰囲気をがらっと変えてほしい」と話す。

 宇都宮市の40代の女性保育士も「河野氏推し」だ。今の自民党には「重鎮が古い考えややり方を踏襲する印象」をもつ。だからこそ「自分の意見をはっきりと物申している河野さんに魅力を感じる」と話す。

 コロナ禍の保育の現場で、子育てをする人たちが仕事を失ったり、給料を減らされたりして生活に苦しむ姿を目にしてきた。「若者や女性、子育てしている方の声を政治に採り入れてほしい」と願う。

 青森県八戸市で30年以上飲食店を営む男性(66)も河野氏に投票するという。「派閥中心のこれまでの自民党の政治を変えて、改革を進めてくれる」との期待からだ。コロナ禍で店の売り上げはピーク時の1~2割程度。ランチ営業やテイクアウトを始め、貯金を取り崩しながら何とか耐えている。「飲食店も新型コロナに対応して変化を求められている。政治も変わらなければならない」と話す。

 福島市で理髪店を営む本田富治さん(73)は岸田文雄氏に投じる予定だ。「コロナの収束や外交を着実に進めるには短命政権では困る。政治は安定が一番」と語る。東京電力福島第一原発の処理水の方針を巡って他候補に違和感がある。「一度決めた処理水放出の方針をひっくり返すような高市さん、脱原発から軌道修正を図るような発言が目立つ河野さんは未来への説得力に欠ける」と話す。

「ベテランは口を出さずに見守って」

 今年6月、理髪店を改装した。4代目の息子に任せ、明るくモダンな店内に仕上がり、常連客にも好評だ。「総裁選でもベテランは口を出さずに見守ってもらいたい。若い芽を育て、伸ばし、世代交代することが自民党の良いところだったはず」と注文する。

 岸田文雄氏の地元・広島県では、戦後3人目の首相誕生に期待が高まる。広島市安佐南区の農家、武内祥吾さん(50)は「地元から出れば素直にうれしい」と話す。岸田氏の講演を聞いたことがあり、「理性的で『自分が自分が』ではなく、色々な人の話を聞いてまとめていくタイプ。考え方が柔軟で変化に対応できるので総理に向いている」と評価する。

 党員歴約20年の福岡市東区の生花店経営、林田暁紀さん(46)も「バランス感覚があり、そつなく政策を実行してくれそう」と岸田氏を推す。店の売り上げはコロナ禍で4割減った。十分な補償がないまま中途半端な感染防止策を繰り返していると感じる。いち早く党改革を打ち出した岸田氏に、「これまでと一線を画した政権運営ができるのではないか」と話す。

 女性初の総裁誕生が期待されるのが、高市早苗氏と、告示前日に立候補を表明した野田聖子氏だ。

 浜松市議の小泉翠さん(29)は「高市さんか野田さんを同性として応援したい」。新総裁にはコロナ対策や経済対策に加え、「子育て中の親への支援策をしっかり作ってほしい。母親として、そこが一番気になる」と話す。

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