指定暴力団浪川会の本部事務所、県警が撤去確認 代理訴訟で全国初

加治隼人
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 福岡県暴力追放運動推進センターが住民に代わって当事者になる「代理訴訟」で使用差し止めを求めていた指定暴力団浪川会の本部事務所について、福岡県警は17日、撤去を確認したと発表した。跡地は第三者が購入した後、大牟田市が取得した。代理訴訟による暴力団の本部事務所の撤去は全国初という。

 撤去が確認されたのは、大牟田市上官町2丁目の住宅街にあった事務所。国家公安委員会が決定する暴力団の拠点「主たる事務所」とされていた。センターは昨年12月に代理訴訟を福岡地裁に起こし、今年7月に浪川会側が請求を受け入れて裁判が終結。建物は7月に解体されていた。

 市によると、跡地は第三者が購入したのち、「暴力団の手に戻らないよう、寄付をしたい」との申し出を受けて、市が無償で譲り受けた。この日移転登記を完了したという。

 代理訴訟制度は2013年施行の改正暴力団対策法に盛り込まれた。県警によると、8月時点でほかに全国で16件起きているが、「主たる事務所」の撤去は今回が初めてという。

 浪川会の新たな本部事務所については、県警は「主たる拠点がなくなれば組織の活動が見えにくくなる懸念もあるが、情報収集を続け、今後の調査で特定する」としている。

 大牟田市の関好孝市長は「浪川会の本部事務所は更地となっていたが、市民からは再び事務所が建設されることを不安視する声があがっていた。今回、市が跡地を取得することは暴力団のいない安心・安全なまちづくりに大きく寄与するものと考えている」とコメントした。(加治隼人)