関東大震災で焼失 清朝皇帝所有巻物の写本発見 広島県立歴史博物館

佐藤英法
[PR]

 広島県立歴史博物館(福山市西町2丁目)は、中国・清朝皇帝がかつて所有し、関東大震災時に焼失した巻物「海洋清晏(せいあん)図」の写本が所蔵品の中から見つかったと発表した。海洋清晏図は18世紀初めごろの上海から長崎までの航路を描いた。博物館は「海洋清晏図は当時の日中の貿易の様子を描いた一級の資料として注目された」としている。

 博物館によると、海洋清晏図は清朝の皇帝康熙帝(こうきてい)が1700年代初めころに日本に派遣した役人の報告書とみられる。清朝末期、日本に運びこまれ、東京帝国大学の図書館が所蔵していたが、1923年の関東大震災に伴う火災で焼けた。

 博物館が2016年度の企画展で、所蔵するコレクションの一つ、彩色の巻物「琉球国図」(縦52・7センチ、横822・2センチ)を展示したところ、東京大学大学院の渡辺美季准教授(近世琉球史)が海洋清晏図と似ていることに気付いた。台湾の研究者に情報提供して研究が進み、琉球国図は海洋清晏図の写本と判断した。

 博物館で10月1日から始まる予定の企画展「京・江戸・長崎~近世・海の旅と憧れのまち~」で、海洋清晏図の写本が展示される。(佐藤英法)