アマゾンが巨額投じたアリーナ 若者とつながる持続可能性への挑戦

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ロンドン=遠田寛生
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 今秋、スポーツビジネス界に変革が起きるかもしれない。

 きっかけをつくったのは米巨大IT企業のアマゾンだ。

 同社は昨年6月、米ワシントン州シアトルにあるアリーナの命名権を買った。現在改修中で、女子プロバスケットボールWNBAや、北米アイスホッケーリーグNHLに新規参入するチームの本拠として、今年10月には披露される計画となっている。

 アマゾンは企業方針で購入額を明らかにしていないが、巨額だったということは明白だ。一部の建築雑誌などでは、命名権の価値は3億~4億米ドル(330億~440億円)とも指摘されている。

スポーツ界で新たな試み

 だが、スポーツ関係者が注目している点はそこではない。大金を投じて得た権利を使ってつけた名前に企業名は入っていないのだ。

 宣伝は一切ない。名称は「クライメート・プレッジ・アリーナ(気候への誓約会場)」だ。

 スポーツ界で長く存在してきた命名権ビジネスは、企業や商品名の宣伝効果を狙った名称が一般的だったが、その慣例を破った。発想を大きく転換。気候危機に対しての新たな取り組みとして注目を集める。

 アマゾンの意気込みを受けたアリーナは、中身でも新たな試みに挑んでいる。

 スポーツ会場の運営などをてがけ、同アリーナの改修を担当しているオークビューグループや、本拠に構え今季からNHLに参入するシアトル・クラーケンなどは「環境に優しい会場」の定義を大きく変え、進めようとしている。

記事の後半では、アマゾンの担当者や、業界で著名なデザイナーが登場します。どのような思いでこのアリーナの大幅改修に取り組んだのか。そしてこの会場がもたらす他分野の影響などについても触れています。

エネルギー、水、人…各分野でこだわり

 こだわりは施設内の電力から始まる。

 全てが再生エネルギーだ。化…

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