新横綱を34歳が追う ベテラン全盛、高い壁? それとも…

鈴木健輔
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 大相撲秋場所(東京・国技館)は7日目の18日、平幕妙義龍が6勝目を挙げた。御嶽海、霧馬山、千代の国が2敗目を喫し、全勝の横綱照ノ富士と1差は34歳のベテランだけになった。

 「全然知らなかったです。教えてくれてありがとうございます」

 妙義龍が笑顔を見せたのは、6勝目の取組後、自身の記録について質問が出た時。この日が幕内で800回目の出場だった。

 来月35歳になるベテランは「足がついて来んようになったし、馬力が落ちている」。それでも、「何とか一生懸命取っています」。四股、すり足といった基礎を怠らないから、鋭く踏み込んだこの日のような切れ味を保てている。

 29・55歳。42人いる今場所の幕内力士の平均年齢(初日時点)だ。20歳代前半は、22歳の豊昇龍と23歳の琴ノ若の2人。30歳代は、36歳の白鵬玉鷲隠岐の海を最年長に20人を数える。

 5年前の秋場所の幕内平均年齢は28・19歳で、10年前にさかのぼると27・69歳。10年前は30歳代が11人で、20歳代前半は8人いた。平均年齢の上昇は、息の長い力士が増えた証拠でもある。

 とはいえ、今場所の30歳代20人のうち、今年ここまで皆勤しているのは9人(新型コロナウイルス絡みの休場措置を除く)。この日までの年間成績で、白星が黒星を上回っている力士はいない。世代交代が進まず、追い落とす若手がいないのが実情だ。

 前半戦を終え、全勝は29歳の新横綱照ノ富士。20歳代の御嶽海、霧馬山らが崩れ、1敗は妙義龍ひとりになった。(鈴木健輔)

 若手の琴ノ若が横綱初挑戦で善戦した。立ち合いから動いて右四つ。巻き替えて両差しを果たしたが、外四つで引きつけられると、腰が伸びた。それでも、本人は手応え十分。「負けたけど、はつらつと思い切っていけた。あまり覚えていないが、必死で食らいついた。悔しい気持ちはもちろんあるが、今後につながる相撲は取れた」