自民総裁選の争点「核燃サイクル」4つの論点 維持も廃止も課題山積

会員記事自民自民党総裁選2021

長崎潤一郎
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 4人の候補が争う自民党総裁選で、やめるかどうかが争点に浮上した「核燃料サイクル政策」は、原発使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出して再び発電に使う仕組みだ。放射性廃棄物の処分という原子力政策の根幹に関わる話だが、その論点を整理してみた。

完成延期25回 総事業費14.4兆円

 論点の一つ目は、増え続ける事業費だ。

 核燃サイクルの中核となる日本原燃再処理工場

青森県六ケ所村)は1993年に着工。当初は97年に完成する予定だったが、技術的なトラブルが相次ぎ、完成時期が25回も延期されてきた。今は2022年度上期の完成を予定している。

 建設費は当初の7600億円から約3兆円に拡大し、稼働後40年間の運営費などを含めた総事業費は約14・4兆円に膨らむ見通しだ。大手電力など原発事業者が拠出金を出してまかなうが、負担は電気料金を通じて消費者に回る形だ。

核兵器の原料にもなるプルトニウムの使い道は

 二つ目は、再処理で取り出したプルトニウムの使い道だ。

 プルトニウムは核燃サイクルのもう一つの中核、高速増殖原型炉「もんじゅ」福井県)が発電に使うはずだったが、1兆円以上の事業費を投じたあげく、トラブル続きで16年に廃炉が決まった。後継となる高速炉のめどは立っていない。

 現状では、プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を通常の原発で燃やす「プルサーマル発電」で使うしかないが、プルサーマルを導入して再稼働した原発は、関西電力高浜3、4号機(福井県)や九州電力玄海3号機(佐賀県)など4基にとどまる。今は海外に委託して加工されたMOX燃料を輸送して使う。今後、国内で使用済み燃料の再処理が進めば、使えないプルトニウムがどんどんたまっていく。核兵器の原料にもなるだけに、国際的な批判が強まる恐れがある。

核燃サイクル見直すと、原発が止まる?

 三つ目は核燃サイクルを廃止…

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