薬入りのエサ、見抜くことも…心疾患のタンタン、26歳の誕生日

大下美倫
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 心臓疾患が見つかった神戸市立王子動物園ジャイアントパンダ「タンタン(旦旦、メス)」が、26歳の誕生日を迎え、全国からお祝いと応援の声が届いた。人間でいうと、70代後半くらい。投薬治療では、勘のいいタンタンと飼育担当者との「知恵比べ」が展開されている。

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 好物のリンゴをあしらった「かき氷風ケーキ」に、野菜や果物などでハンバーガーやポテトを再現した「たんたんハンバーガーセット」。誕生日プレゼントのごちそうを、黙々と食べていく――。

 タンタンの誕生日の16日、園は事前に撮ったお祝い動画を、公式ツイッターとユーチューブで公開した。多くのコメントが集まったほか、ツイッターには大量の「いいね」が寄せられた。

 園は4月、タンタンに加齢が原因とみられる心臓疾患が見つかったと発表した。強心剤などの投薬治療は今も続く。病気が見つかる前よりも運動量が減り、寝る時間が増えているという。

 誕生日はイベント開催が恒例だった。だが今年は新型コロナの影響に加え、大勢の来場者が訪れることでのタンタンの負担も考えて見送った。その代わりにタンタンの姿を広く届けたいと、動画を公開した。

 人気ぶりは健在だ。16日、東京都から園を訪れた女性(51)は、「心の中でおめでとうと伝えた」とうれしそう。一緒に訪れた女性(63)は、「いつまでも元気でいてほしい」と願った。

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 タンタンの主食は竹だが、最近になって復活させたメニューがある。大豆やトウモロコシ、米の粉などを混ぜて蒸した「パンダ団子」だ。

 毎日決まった量の薬を飲んでもらうため、中国からの来日当初に食べていた味を再現した。団子に穴を開け、粉状にした錠剤を入れて食べさせている。混ぜて飲ませるサトウキビジュース、同じく穴に薬を入れて食べさせるブドウとともに、投薬治療を支えるメニューだ。

 それでも薬入りと見抜かれ、タンタンに嫌がられてしまうときも。そんな時は、薬の入っていない団子やブドウをあげ、忘れた頃にまた薬を入れて食べさせる。サトウキビジュースならば、量を増やして気にならないように工夫する。

 飼育担当者とは、そんな知恵比べが続いている。

 タンタンは2000年、阪神・淡路大震災からの復興に向けて明るい話題を提供しようと、神戸市が日中共同飼育繁殖研究の名目で中国から借り受けた。園は昨年5月、約2カ月後に迫った飼育期限に先立ち、タンタンの帰国を発表した。だが、コロナ禍で故郷の中国・四川省への直行便がなくなり、帰国を見合わせていたところ、加齢の影響もあって病を発症した。

 「病状もあり、手放しでは喜べないが、今年もタンタンの誕生日を迎えることができてうれしい」と飼育担当者。感染拡大が続き、「園に来てと言いにくい」けれど、SNSや手紙などで、全国から続々とメッセージが届いている。「タンタンと僕らを応援してくれてありがたい」(大下美倫)