帯広三条、北海道科学大が全国へ 道合唱コンクール高校部門

戸田拓
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 第72回北海道合唱コンクール(全日本合唱連盟道支部、朝日新聞社など主催)が18日、開幕した。この日は高校部門が札幌市教育文化会館であり、8人以上32人以下の「Aグループ」(15団体出場)で帯広三条、33人以上の「Bグループ」(4団体出場)で北海道科学大が北海道代表に選ばれた。両校は10月30日に大分市で開かれる第74回全日本合唱コンクールに出場する。帯広三条は通算20回目、北海道科学大は初出場。Bグループで一昨年まで8大会連続全国大会出場の札幌旭丘は選にもれた。

 コロナ禍に見舞われた昨年は中止され2年ぶりの開催。感染防止対策が徹底され、歌唱は不織布マスクの着用を義務づけられた。観客数の上限は会場の定員の50%とした。

 金、銀、銅の各賞は次の通り(◎は全国大会出場)。

 【高校A】金賞=◎帯広三条、旭川東、札幌藻岩、登別明日▽銀賞=札幌山の手、札幌稲雲、釧路湖陵▽銅賞=中標津、札幌南、札幌手稲

 【高校B】金賞=◎北海道科学大、札幌旭丘、札幌北、札幌第一(戸田拓)

名指導者に導かれ、初の全国大会へ

 北海道科学大高(札幌市豊平区)の阿部和佳代教諭(65)の指導が、6年目にして初の全国大会出場に結実した。札幌市立中で合唱部顧問を長年務め、率いた3校すべてを全国大会に導いた名指導者。2016年に定年を迎えた阿部教諭を、同校の山下卓教頭(48)が「本校に新しい文化を根付かせたい」と招いた。

 創部時12人だった部員は「阿部先生の指揮で歌いたい」という生徒も入学するようになり、47人に増えた。部から留学したりボランティアをしたりする生徒が輩出し、学校に新風を吹き込んだ。「人のために心を込めて歌う合唱を通じて、一生懸命取り組むことの価値が広まった」と山下教頭。

 今回、「攻め」の選曲でコンクールに挑んだ。課題曲は無調・変拍子で難度の高い新作を選んだ。自由曲ではスペイン内戦で散った作家ロルカの詩による「ギター」を歌った。幅広い表現力が求められる難曲だが、部員たちはスペインの苛烈(かれつ)な日差しに思いをいたしながら、ア・カペラで楽器の擬音を交えた豊かな響きを生み出した。

 演奏前、部員に「コンクールは挑戦に意味がある。伝統校は聴き手に先入観がある分、有利なので、私たちは目からうろこが落ちる演奏をしないと勝てない」と語りかけた阿部教諭。閉会式で結果が発表されると、驚きのあまり両手で頭を押さえた。ロビーで目を赤くした生徒らと抱き合って喜びを分かち合った。(戸田拓)